約 1,166,357 件
https://w.atwiki.jp/megurohibiki/pages/313.html
読 み : オズグミ 典 拠 : 新宿残侠伝 実録・関東尾津組伝 猪野健治著 種 別 : 団体名 ジャンル : エッセイ 著 者 : 小林信彦 コバヤシノブヒコ 元本(頁/行) : B型の品格(41/-1) 調 査 : 職員
https://w.atwiki.jp/city_blues/pages/165.html
【OP、登場話】 No. タイトル 登場人物 場所 作者 02 ソニックブーム&セイバー ソニックブーム(フマトニ)&セイバー(橘清音) - ◆tHX1a.clL. 07 ダガー・モールス&アーチャー ダガー・モールス&アーチャー(那珂) - ◆tHX1a.clL. 13 北上&アサシン 北上&アサシン(ピティ・フレデリカ) - ◆tHX1a.clL. 【本編】 No. タイトル 登場人物 場所 時刻 作者 22 未だ舞台に上がらぬ少女たち 北上&アサシン(ピティ・フレデリカ) 歌舞伎町・富山方面(新宿三丁目周辺、北上(ブ)の暮らす安アパート) AM7:55 ◆EAUCq9p8Q.
https://w.atwiki.jp/city_blues/pages/274.html
「面白い見世物じゃった」 高田馬場・百人町に向かって舟の船首を向け、三人の娘を伴い、地獄の釜の底の様な争乱の 最中にある新国立競技場を後にする際、妖姫が口にした言葉がこれであった。 妖姫はメフィスト病院を後にして、せつらを求め<新宿>を当て所なく彷徨っていた、ジャバウォックに対する殺意は些かも揺らいでおらぬが、態々探し求めて殺すまでも無い。 次に出会えば必ず滅ぼすが、出会わなければそれまでだと割り切っている。 元より放埓気儘に生きてきた妖姫が、今更何かに捉われる事など有り得ない─────唯一つの例外を除いて。 そうしていたところで突如生じた巨大な神気を感知。 古の時代を思い起こすその気配に誘われて、競技場へ赴いた先で見たものは、太古の地母神“アシェラト”に変貌した人間と、ソレを討ち滅ぼした銀髪のアーチャーだった。 妖姫にも、これは驚嘆に値する出来事だった。“人が人以外の存在に変わる事など妖姫には別段驚くにも値しない。 例えば─────面を被ることによって、その面が模す存在、猿なら猿、虎なら虎の力を得る。 果ては他者の姿形どころか技能や精神までをも、面が表すもののそれに変え、秋せつらの面をつまらぬ男に被せ、せつらを二人にしてのけた面作りがいた。 例えば─────自身で作成した薬を飲み、己が内の獣性を解き放ち、姿形をそれに相応しい姿に変えた碩学がいた。 例えば─────人間に異なる生物の要素を植え付け、半獣半人の怪物へと変える技術が存在した。 例えば─────人に“神”を降ろす事により。或いは“神”を喰らうことによりその血肉を取り込み、文字通りの“現人神”と化した人間が居た。 例えば─────妖姫に血を吸われた者がそうだった。 それらを知る妖姫ですら、あのアシェラト女神は驚愕に値するする存在だった。 半獣人に作り変えるのとは訳が違う。凡百の悪魔に変えたわけでは無い。 あれ程の高位の古の女神を、如何なる術を用いたのか現世に蘇らせてのけた術者は賞賛に値した。 そして、その女神を、本来の力を到底発揮しておらぬとはいえ圧倒し、滅ぼしてみせたアーチャーに対する評価も改めた。 そして妖姫は、アシェラトとなっていた人間と愁嘆場を繰り広げている、アーチャーのマスター、一ノ瀬志希の顔を改めて覚えた。 それまでの妖姫にとっての一ノ瀬志希とは、路上の蟻と同じ、永琳が居なければ存在を気に留めるどころか、認識すらしないだろう。 永琳に対する評価が上昇した事で、一ノ瀬志希もまた、覚えておくべき顔の持ち主となったのだった。 そして妖姫は、その場から立ち去る二人を見逃した。 陽の下で戦うには永琳は手強い相手であり、魔獣から受けた傷も癒えてはいない。 血を啜るなり、紅湯に浸かるなりして傷を癒す必要が有った。 そうして妖姫は、激しい闘争の気配を感じ、飛翔して新国立競技場の外壁の上へと降り立ち、フィールドを睥睨した。 そして見た。広い競技場を所狭しと疾駆し、争覇する三人の剣士を。 縦横に武器を戦い方を縦横に変える紅い魔剣士を。 空間を跳び、神速の嫌疑を振るい、次元を斬り裂く蒼い魔剣士を。 そして─────その二人に囲い責めにされながら、僅かも譲らず戦い抜き、深淵を穿った黄金の英雄を。 凡そ人がその生涯に口にする米粒を遥かに上回る人間を見、殺し、血を啜ってきた妖姫ですら、過去に於いて見てきた者たちの中でも最上位に入る男達。 淀んでいた血が賦活する。萎えていた邪悪な意志が喚び醒まされる。 例えせつらが腑抜けていたとしても、この男達を捩じ伏せ、膝下に膝まずかせる事で、充分に釣り合う事だろう。 「ルシファーも存外気の利かぬ奴、この様な男達の存在を告げぬとは、私を踊らせたいのなら、此奴らの事を告げれば、意のままに踊ってやっても良かったのに」 あの“明けの明星”が何を考えて私を此の地に呼びつけたか知らぬが、どうでも良い。 最初に出会ったアーチャーといい、此の地には過去にも殆ど見た事がない輩共が数多いる。 それこそ、四千年の間に下僕とした二人、劉貴と秀蘭にも劣らぬ者達が。 従僕にしたい、そう思える存在が、まさか三人も一時に現れるとは。 過去に滅ぼしてきた国などよりも、あの男達の一人の方が遥かに価値がある。 あの様な者達がいるのならば、この街を過去滅ぼした国の様に変えてやることもやっても良い。 「しかし誰もが従いそうにないというのがな。ベイの如き輩を増やしても仕方がない」 血を啜って下僕にしても従うとは到底思えぬ。妖眼で縛るにしても縛れるとは到底思えぬ。 彼奴等を従僕とするのは不可能だろう。 「まあ部下とにするなら丁度良いサーヴァントが居る。彼奴なら秀蘭の代わりは充分に勤まるだろう」 とは言えその代わりを用意するのも一手間凝らさねばならないが。 その為の策を練る為に甲板に舞い降りた妖姫の眼に、新国立競技場から転けつまろびつ出てきた三人の娘が映った。 今日1日で散々地獄の底を這いずり回った、アナスタシア・鷺沢文香・橘ありすの三人だった。 常ならば認識すらしない。地を這う蟻を気にする人間がいない様に。 だが、今はあの魔獣に受けた傷が癒えていない。傷を癒す為に血を飲む必要があった。 男の血は熱く濃い。女の血は甘く薄い。この先最上の熱い血を持つ三人の男をその牙にかけるのだから、先ずは逆の味の血を持つこの女達で喉を潤そう。 精神的にも疲弊の極みにあった三人は突如現れた妖姫の美貌に全てを忘却した。美しいという言語すらが、仮初に用いられるほどの、人の理解や認識の範疇を超えた美。 気力体力充溢した状態でも忘我の態となるなら、疲弊しきった状態でなら己が生きていることをすら忘れ果てるだろう。 白痴のように立ち尽くした今の三人は意思を喪失し、妖眼の命じる儘に行動する木偶でしかなかった。 もし此処で妖姫が三人の格好に気付かなければ、三人の命運は此処で尽きていただろう。 妖姫にとっては、“アシェラト”に変貌していた者が誰か、などという事は心底どうでも良い事柄だった。 唯その“アシェラト”に変貌していた者が、メフィスト病院内で一戦交えたアーチャーのマスターと愁嘆場を演じていたからこそ、記憶に残っていたに過ぎない。 「お前達のその装束に見覚えがある」 嘗て<新宿>の吸血鬼達の長である“長老”孫である夜香、三万人のトルコ兵を串刺しにした吸血魔王カズィクル・ベイを縛った妖姫の妖眼が、この<新宿>に赤く輝いた。 その双眸を見た刹那。三人は思考はおろか人間性すらをも喪失した。 「お前達の様に、命に溢れた者が数多く居る場所を教えよ」 競技場で魔天をすら揺るがす妖戦を戦う三人の丈夫(ますらお)といい、あの神箭手といい、せつらといい。誰もが傷ついた身でその前に立つわけにはいかぬ相手だった。 特にせつらの前に立つ為には、傷を快癒させる必要がある。 この三人は使えぬ以上代わりを求める。その数が多ければ紅湯とし、少なければ飲み干す。 その思考の元に放たれた問いに、三人競い合う様に一つの答えを出した。 【四ツ谷、信濃町方面(新国立競技場周辺/1日目 午後2:30】 【ライダー(美姫)@魔界都市ブルース夜叉姫伝】 [状態]左脇腹の損傷(大。時間経過で回復)、実体化、せつらのマスターに対する激しい怒り、 [装備]全裸 [道具] [所持金]不要 [思考・状況] 基本行動方針:せつらのマスター(アイギス)を殺す 1.アイギスを殺す、ふがいない様ならせつらも殺す 2.ついでに見かけ次第ジャバウォックを葬る 3.セイバー(ダンテ)、アーチャー(バージル)バーサーカー(クリストファー・ヴァルぜライド)に強い関心。彼らを力づくで捩じ伏せたいと思っています 4.血を飲むなり紅湯に浸かるなりして傷を癒したい [備考] • 宝具である船に乗り、 新宿 の何処かに消えました • 一ノ瀬志希&アーチャー(八意永琳)、不律&ランサー(ファウスト)の存在を認識しました • セイバー(ダンテ)、アーチャー(バージル)バーサーカー(クリストファー・ヴァルぜライド)を認識しました • 人間を悪魔化させる者がいる事を知りました • 高田馬場・百人町方面に向かって移動中です • アナスタシア・鷺沢文香・橘ありすの三人を妖眼で支配しました • 部下としてあるサーヴァントに目を付けました 時系列順 Back 明日晴れるかな Next おじいちゃんといっしょ 投下順 Back 流星 影を切り裂いて Next おじいちゃんといっしょ ←Back Character name Next→ 46 It`s your dream or my dream or somebody`s dream 蒼のライダー(美姫) 58 For Ruin
https://w.atwiki.jp/keio_unyo/pages/15.html
11運行 桜上水駅2#出庫 〔 前運用 平日:25運行 休日:21運行 〕 普通 6501 ― 桜上水 0437 → 0447 つつじ ┐ 普通 5500 ┌ N新宿 0514 ← 0452 つつじ ┘ 普通 5101 └ N新宿 0519 → 0634 高尾山 ┐ 普通 5106 ┌ 新 宿 0825 ← 0651 高尾山 ┘ 普通 5121 └ 新 宿 0831 → 1009 高尾山 ┐ 普通 5136 ┌ 新 宿 1150 ← 1016 高尾山 ┘ 普通 5029 └ 新 宿 1154 → 1314 八王子 ┐ 普通 5038 ┌ 新 宿 1440 ← 1318 八王子 ┘ 普通 5161 └ 新 宿 1443 → 1613 高尾山 ┐ 普通 5172 ┌ 新 宿 1747 ← 1617 高尾山 ┘ 普通 5065 └ 新 宿 1749 → 1910 八王子 ┐ 普通 5074 ┌ 新 宿 2036 ← 1917 八王子 ┘ 普通 5103A └ 新 宿 2040 → 2211 高尾山 ┐ 回送 8196 ― 高幡不 2243 ← 2226 高尾山 ┘ 高幡不動検車区入庫 12運行 〔 前運用 平日:26運行 休日:14運行 〕 普通 5600 ┌ N新宿 0450 ← 0438 桜上水 ― 普通 5001 └ N新宿 0455 → 0559 八王子 ┐ 普通 5006 ┌ 新 宿 0737 ← 0612 八王子 ┘ 普通 5113 └ 新 宿 0741 → 0914 高尾山 ┐ 普通 5126 ┌ 新 宿 1059 ← 0926 高尾山 ┘ 普通 5139 └ 新 宿 1102 → 1234 高尾山 ┐ 普通 5150 ┌ 新 宿 1410 ← 1237 高尾山 ┘ 普通 5043 └ 新 宿 1414 → 1532 八王子 ┐ 普通 5052 ┌ 新 宿 1657 ← 1539 八王子 ┘ 普通 5175 └ 新 宿 1701 → 1833 高尾山 ┐ 普通 5186 ┌ 新 宿 2007 ← 1837 高尾山 ┘ 普通 5197 └ 新 宿 2010 → 2141 高尾山 ┐ 普通 5108A ┌ 新 宿 2329 ← 2155 高尾山 ┘ 快速 2705 └ 新 宿 2339 → 0032 橋 本 ┐ 普通 6756 ― 若葉台 0057 ← 0043 橋 本 ┘ 若葉台検車区入庫 13運行 桜上水駅4#出庫 〔 前運用 平日:21運行 休日:17運行 〕 回送 8003 ― 桜上水 0605 → 0620 東府中 ┐ 普通 6401 └ 東府中 0622 → 0624 競 馬 ┐ 普通 6400 ┌ 東府中 0632 ← 0629 競 馬 ┘ 普通 6403 └ 東府中 0642 → 0644 競 馬 ┐ 普通 6402 ┌ 東府中 0655 ← 0653 競 馬 ┘ 普通 6405 └ 東府中 0702 → 0705 競 馬 ┐ 普通 6404 ┌ 東府中 0715 ← 0713 競 馬 ┘ 普通 6407 └ 東府中 0722 → 0724 競 馬 ┐ 普通 6406 ┌ 東府中 0732 ← 0729 競 馬 ┘ 普通 6409 └ 東府中 0737 → 0739 競 馬 ┐ 普通 6408 ┌ 東府中 0747 ← 0744 競 馬 ┘ 普通 6411 └ 東府中 0752 → 0754 競 馬 ┐ 普通 6410 ┌ 東府中 0802 ← 0759 競 馬 ┘ 普通 6413 └ 東府中 0807 → 0809 競 馬 ┐ 普通 6412 ┌ 東府中 0817 ← 0814 競 馬 ┘ 普通 6415 └ 東府中 0822 → 0825 競 馬 ┐ 普通 6414 ┌ 東府中 0832 ← 0830 競 馬 ┘ 普通 6417 └ 東府中 0837 → 0840 競 馬 ┐ 普通 6416 ┌ 東府中 0847 ← 0845 競 馬 ┘ 普通 6419 └ 東府中 0852 → 0855 競 馬 ┐ 普通 6418 ┌ 東府中 0907 ← 0905 競 馬 ┘ 普通 6421 └ 東府中 0915 → 0917 競 馬 ┐ 普通 6420 ┌ 東府中 0930 ← 0927 競 馬 ┘ 普通 6427 └ 東府中 0938 → 0940 競 馬 ┐ 普通 6424 ┌ 東府中 0949 ← 0947 競 馬 ┘ 普通 6431 └ 東府中 0957 → 0959 競 馬 ┐ 普通 6428 ┌ 東府中 1009 ← 1006 競 馬 ┘ 普通 6435 └ 東府中 1017 → 1019 競 馬 ┐ 普通 6432 ┌ 東府中 1032 ← 1029 競 馬 ┘ 普通 6439 └ 東府中 1038 → 1040 競 馬 ┐ 普通 6436 ┌ 東府中 1050 ← 1047 競 馬 ┘ 普通 6443 └ 東府中 1056 → 1058 競 馬 ┐ 普通 6440 ┌ 東府中 1108 ← 1105 競 馬 ┘ 普通 6447 └ 東府中 1116 → 1118 競 馬 ┐ 普通 6444 ┌ 東府中 1131 ← 1128 競 馬 ┘ 普通 6451 └ 東府中 1138 → 1140 競 馬 ┐ 普通 6448 ┌ 東府中 1150 ← 1147 競 馬 ┘ 普通 6455 └ 東府中 1156 → 1158 競 馬 ┐ 普通 6452 ┌ 東府中 1208 ← 1206 競 馬 ┘ 普通 6459 └ 東府中 1216 → 1218 競 馬 ┐ 普通 6456 ┌ 東府中 1228 ← 1225 競 馬 ┘ 普通 6463 └ 東府中 1236 → 1238 競 馬 ┐ 普通 6460 ┌ 東府中 1250 ← 1247 競 馬 ┘ 普通 6467 └ 東府中 1256 → 1258 競 馬 ┐ 普通 6464 ┌ 東府中 1309 ← 1306 競 馬 ┘ 普通 6471 └ 東府中 1316 → 1318 競 馬 ┐ 普通 6468 ┌ 東府中 1328 ← 1325 競 馬 ┘ 普通 6475 └ 東府中 1336 → 1338 競 馬 ┐ 普通 6472 ┌ 東府中 1349 ← 1346 競 馬 ┘ 普通 6479 └ 東府中 1356 → 1358 競 馬 ┐ 普通 6476 ┌ 東府中 1409 ← 1406 競 馬 ┘ 普通 6483 └ 東府中 1416 → 1418 競 馬 ┐ 普通 6480 ┌ 東府中 1428 ← 1425 競 馬 ┘ 普通 6487 └ 東府中 1436 → 1438 競 馬 ┐ 普通 6484 ┌ 東府中 1448 ← 1445 競 馬 ┘ 普通 6491 └ 東府中 1456 → 1458 競 馬 ┐ 普通 6488 ┌ 東府中 1508 ← 1505 競 馬 ┘ 普通 6495 └ 東府中 1515 → 1517 競 馬 ┐ 普通 6492 ┌ 東府中 1527 ← 1524 競 馬 ┘ 普通 6499 └ 東府中 1534 → 1536 競 馬 ┐ 普通 6400A ┌ 東府中 1545 ← 1543 競 馬 ┘ 普通 6407A └ 東府中 1555 → 1557 競 馬 ┐ 普通 6408A ┌ 東府中 1607 ← 1605 競 馬 ┘ 普通 6415A └ 東府中 1614 → 1616 競 馬 ┐ 普通 6418A ┌ 東府中 1627 ← 1625 競 馬 ┘ 普通 6423A └ 東府中 1635 → 1637 競 馬 ┐ 普通 6424A ┌ 東府中 1646 ← 1644 競 馬 ┘ 普通 6431A └ 東府中 1653 → 1656 競 馬 ┐ 普通 6434A ┌ 東府中 1708 ← 1705 競 馬 ┘ 普通 6441A └ 東府中 1713 → 1715 競 馬 ┐ 普通 6440A ┌ 東府中 1726 ← 1724 競 馬 ┘ 普通 6445A └ 東府中 1734 → 1736 競 馬 ┐ 普通 6442A ┌ 東府中 1747 ← 1745 競 馬 ┘ 普通 6447A └ 東府中 1752 → 1755 競 馬 ┐ 普通 6444A ┌ 東府中 1802 ← 1800 競 馬 ┘ 普通 6449A └ 東府中 1813 → 1815 競 馬 ┐ 普通 6446A ┌ 東府中 1823 ← 1820 競 馬 ┘ 普通 6451A └ 東府中 1832 → 1834 競 馬 ┐ 普通 6448A ┌ 東府中 1842 ← 1840 競 馬 ┘ 普通 6453A └ 東府中 1849 → 1851 競 馬 ┐ 普通 6450A ┌ 東府中 1859 ← 1856 競 馬 ┘ 普通 6455A └ 東府中 1904 → 1906 競 馬 ┐ 普通 6452A ┌ 東府中 1914 ← 1911 競 馬 ┘ 普通 6457A └ 東府中 1919 → 1921 競 馬 ┐ 普通 6454A ┌ 東府中 1929 ← 1926 競 馬 ┘ 回送 8175 └ 東府中 1933 → 1946 高幡不 ― 高幡不動検車区入庫 14運行 桜上水派出所8#出庫 〔 前運用 平日:13運行 休日:19運行 〕 回送 8123 ― 桜上水 0641 → 0651 調 布 ┐ 普通 6113 └ 調 布 0653 → 0743 高尾山 ┐ 普通 5116 ┌ 新 宿 0935 ← 0803 高尾山 ┘ 普通 5129 └ 新 宿 0938 → 1116 高尾山 ┐ 普通 5142 ┌ 新 宿 1250 ← 1119 高尾山 ┘ 普通 5035 └ 新 宿 1254 → 1412 八王子 ┐ 普通 5044 ┌ 新 宿 1536 ← 1416 八王子 ┘ 普通 5167 └ 新 宿 1540 → 1712 高尾山 ┐ 普通 5178 ┌ 新 宿 1847 ← 1717 高尾山 ┘ 普通 5071 └ 新 宿 1850 → 2010 八王子 ┐ 普通 5080 ┌ 新 宿 2142 ← 2016 八王子 ┘ 普通 5077 └ 新 宿 2146 → 2307 八王子 ┐ 急行 1010 ┌ 新 宿 0004 ← 2318 八王子 ┘ 普通 5601 └ 新 宿 0014 → 0025 桜上水 ― 桜上水駅2#出庫 〔 翌運用 平日:12運行 休日:12運行 〕 15運行 桜上水派出所7#出庫 〔 前運用 平日:18運行 休日:15運行 〕 普通 6603 ― 桜上水 0650 → 0751 八王子 ┐ 普通 5014 ┌ 新 宿 0919 ← 0757 八王子 ┘ 普通 5127 └ 新 宿 0922 → 1056 高尾山 ┐ 普通 5140 ┌ 新 宿 1230 ← 1100 高尾山 ┘ 普通 5033 └ 新 宿 1234 → 1354 八王子 ┐ 普通 5042 ┌ 新 宿 1517 ← 1259 八王子 ┘ 普通 5165 └ 新 宿 1524 → 1653 高尾山 ┐ 普通 5176 ┌ 新 宿 1828 ← 1656 高尾山 ┘ 普通 5069 └ 新 宿 1831 → 1950 八王子 ┐ 普通 5078 ┌ 新 宿 2118 ← 1956 八王子 ┘ 普通 5111A └ 新 宿 2121 → 2258 高尾山 ┐ 普通 6110 ― 桜上水 0026 ← 2305 高尾山 ┘ 桜上水派出所7#入庫 〔 翌運用 平日:18運行 休日:15運行 〕 16運行 高幡不動検車区出庫 回送 8105 ― 高幡不 0524 → 0541 高尾山 ┐ 普通 5100 ┌ 新 宿 0728 ← 0546 高尾山 ┘ 普通 5009 └ 新 宿 0732 → 0855 八王子 ┐ 普通 5018 ┌ 新 宿 1019 ← 0858 八王子 ┘ 普通 5135 └ 新 宿 1023 → 1155 高尾山 ┐ 普通 5146 ┌ 新 宿 1330 ← 1158 高尾山 ┘ 普通 5039 └ 新 宿 1334 → 1453 八王子 ┐ 普通 5048 ┌ 新 宿 1617 ← 1456 八王子 ┘ 普通 5171 └ 新 宿 1621 → 1754 高尾山 ┐ 普通 5182 ┌ 新 宿 1928 ← 1757 高尾山 ┘ 普通 5075 └ 新 宿 1931 → 2050 八王子 ┐ 回送 8178 ― 高幡不 2108 ← 2100 八王子 ┘ 高幡不動検車区入庫 17運行 高幡不動検車区出庫 普通 5204 ┌ 新 宿 0636 ← 0539 高幡不 ― 普通 5105 └ 新 宿 0641 → 0813 高尾山 ┐ 普通 5118 ┌ 新 宿 0959 ← 0825 高尾山 ┘ 普通 5131 └ 新 宿 1002 → 1134 高尾山 ┐ 普通 5144 ┌ 新 宿 1310 ← 1137 高尾山 ┘ 普通 5037 └ 新 宿 1314 → 1434 八王子 ┐ 普通 5046 ┌ 新 宿 1558 ← 1437 八王子 ┘ 普通 5169 └ 新 宿 1601 → 1733 高尾山 ┐ 普通 5180 ┌ 新 宿 1907 ← 1736 高尾山 ┘ 普通 5173 └ 新 宿 1910 → 2033 八王子 ┐ 普通 5082 ┌ 新 宿 2207 ← 2040 八王子 ┘ 普通 5079 └ 新 宿 2213 → 2333 八王子 ┐ 普通 6600 ― 桜上水 0037 ← 2343 八王子 ┘ 桜上水駅4#入庫 〔 翌運用 平日:14運行 休日:13運行 〕 18運行 高幡不動検車区出庫 回送 8109 ― 高幡不 0552 → 0556 北 野 ― 普通 6105 └ 北 野 0557 → 0609 高尾山 ┐ 普通 5102 ┌ 新 宿 0744 ← 0615 高尾山 ┘ 普通 5115 └ 新 宿 0749 → 0923 高尾山 ┐ 普通 5128 ┌ 新 宿 1109 ← 0936 高尾山 ┘ 普通 5025 └ 新 宿 1113 → 1233 八王子 ┐ 普通 5034 ┌ 新 宿 1400 ← 1238 八王子 ┘ 普通 5157 └ 新 宿 1403 → 1534 高尾山 ┐ 普通 5168 ┌ 新 宿 1707 ← 1537 高尾山 ┘ 普通 5061 └ 新 宿 1710 → 1831 八王子 ┐ 普通 5070 ┌ 新 宿 1958 ← 1836 八王子 ┘ 普通 5195 └ 新 宿 2001 → 2132 高尾山 ┐ 普通 5106A ┌ 新 宿 2325 ← 2143 高尾山 ┘ 普通 5211 └ 新 宿 2333 → 0030 高幡不 ― 高幡不動検車区入庫 19運行 高幡不動検車区出庫 普通 6107 ― 高幡不 0557 → 0620 高尾山 ┐ 普通 5104 ┌ 新 宿 0756 ← 0626 高尾山 ┘ 普通 5117 └ 新 宿 0803 → 0935 高尾山 ┐ 普通 5130 ┌ 新 宿 1118 ← 0944 高尾山 ┘ 普通 5141 └ 新 宿 1122 → 1254 高尾山 ┐ 普通 5152 ┌ 新 宿 1430 ← 1257 高尾山 ┘ 普通 5145 └ 新 宿 1434 → 1554 八王子 ┐ 普通 5054 ┌ 新 宿 1718 ← 1557 八王子 ┘ 普通 5177 └ 新 宿 1721 → 1854 高尾山 ┐ 普通 5188 ┌ 新 宿 2027 ← 1857 高尾山 ┘ 普通 5101A └ 新 宿 2031 → 2202 高尾山 ┐ 普通 6106 ― 桜上水 2340 ← 2218 高尾山 ┘ 桜上水派出所8#入庫 〔 翌運用 平日:17運行 休日:14運行 〕 20運行 高幡不動検車区出庫 回送 8119 ― 高幡不 0638 → 0645 八王子 ┐ 普通 5010 ┌ 新 宿 0816 ← 0653 八王子 ┘ 普通 5119 └ 新 宿 0821 → 0956 高尾山 ┐ 普通 5134 ┌ 新 宿 1140 ← 1004 高尾山 ┘ 普通 5143 └ 新 宿 1143 → 1314 高尾山 ┐ 普通 5154 ┌ 新 宿 1450 ← 1317 高尾山 ┘ 普通 5047 └ 新 宿 1453 → 1612 八王子 ┐ 普通 5056 ┌ 新 宿 1736 ← 1618 八王子 ┘ 普通 5179 └ 新 宿 1739 → 1913 高尾山 ┐ 普通 5190 ┌ 新 宿 2047 ← 1916 高尾山 ┘ 普通 5105A └ 新 宿 2050 → 2224 高尾山 ┐ 普通 6108 ― 高幡不 2301 ← 2236 高尾山 ┘ 高幡不動検車区入庫 21運行 回送 8127 ― 高幡不 0701 → 0707 北 野 ┐ 普通 6115 └ 北 野 0709 → 0723 高尾山 ┐ 普通 5110 ┌ 新 宿 0858 ← 0726 高尾山 ┘ 普通 5125 └ 新 宿 0902 → 1035 高尾山 ┐ 普通 5138 ┌ 新 宿 1210 ← 1038 高尾山 ┘ 普通 5031 └ 新 宿 1214 → 1334 八王子 ┐ 普通 5040 ┌ 新 宿 1459 ← 1337 八王子 ┘ 普通 5163 └ 新 宿 1501 → 1634 高尾山 ┐ 普通 5174 ┌ 新 宿 1807 ← 1637 高尾山 ┘ 普通 5067 └ 新 宿 1810 → 1930 八王子 ┐ 普通 5076 ┌ 新 宿 2058 ← 1936 八王子 ┘ 普通 5107A └ 新 宿 2101 → 2232 高尾山 ┐ 普通 5110A ┌ N新宿 0032 ← 2250 高尾山 ┘ 普通 5605 └ N新宿 0041 → 0054 桜上水 ― 桜上水派出所2#入庫 〔 翌運用 平日:11運行 休日:11運行 〕 22運行 若葉台検車区出庫 普通 5702 ┌ 新 宿 0623 ← 0542 若葉台 ― 普通 5103 └ 新 宿 0632 → 0752 高尾山 ┐ 普通 5114 ┌ 新 宿 0925 ← 0755 高尾山 ┘ 普通 5017 └ 新 宿 0930 → 1055 八王子 ┐ 普通 5024 ┌ 新 宿 1220 ← 1100 八王子 ┘ 普通 5147 └ 新 宿 1223 → 1353 高尾山 ┐ 普通 5158 ┌ 新 宿 1527 ← 1356 高尾山 ┘ 普通 5051 └ 新 宿 1532 → 1653 八王子 ┐ 普通 5060 ┌ 新 宿 1818 ← 1657 八王子 ┘ 普通 5183 └ 新 宿 1821 → 1952 高尾山 ┐ 普通 5194 ┌ 新 宿 2131 ← 1955 高尾山 ┘ 普通 5113A └ 新 宿 2134 → 2311 高尾山 ┐ 普通 6112 ― 高幡不 2345 ← 2318 高尾山 ┘ 高幡不動検車区入庫 23運行 若葉台検車区出庫 回送 8159 ― 若葉台 1549 → 1603 橋 本 ┐ 普通 6738 ┌ 調 布 1634 ← 1606 橋 本 ┘ 回送 8138 ┌ つつじ 1642 ← 1639 調 布 ┘ 回送 8163 └ つつじ 1645 → 1701 若葉台 ― 若葉台検車区入庫 桜上水全休① 〔 前運用 平日:23運行 休日:桜上水全休① 〕 桜上水派出所10#留置 〔 翌運用 平日:16運行 休日:桜上水全休① 〕 桜上水全休➁ 〔 前運用 平日:23運行 休日A:桜上水全休➁ 休日BC:30運行 〕 桜上水派出所11#留置 〔 翌運用 平日:13運行 休日A:桜上水全休➁ 休日BC:30運行 〕 桜上水全休③ 〔 前運用 平日:16運行 休日:桜上水全休③ 〕 桜上水派出所12#留置 〔 翌運用 平日:18運行 休日:桜上水全休③ 〕
https://w.atwiki.jp/divingshop/pages/277.html
コナミスポーツクラブ飯田橋 〒162-0824 東京都新宿区揚場町2-1軽子坂MNビルB1階 http //www.konamisportsclub.jp/diving/
https://w.atwiki.jp/gundam-vs-gnsk/pages/1694.html
セシア・アウェア・ノーノ(Sthesia Awar Nono)(CV 竹達彩奈) セシア・アウェア・ノーノ(Sthesia Awar Nono)(CV 竹達彩奈)【解説】 【属性】 【台詞】 【解説】 生年月日…不明 血液型…ホロアクターのため無し 身長…168cm+αα 体重…不明 原作搭乗機…エクストリームガンダムR リフェイザー・イグニス(EXVS.MB、EXA VS) 通称…ドS、ドM、ド変態、快楽厨、変態お嬢様 備考…型式番号IG-F9、武装名はwiki引用 【属性】 ガンダム 女性 ダークセシア ファンネル機 【台詞】 登場時私はセシア。さぁ、快楽の時間を始めましょう 私はセシア。期待以上の快楽を保証しましょう 私、セシアが相手するのです。 ご遠慮なさらず、ね? あなたの全てを…この私、セシアにお見せくださいね♪ うふふ…うふふふ♪ 私、セシアが昇天のお手伝いをします レオス…私の愛をあなたに!(敵機レオス(共通)) レオス…この胸に飛び込んできていいのよ?(敵機レオス(共通)) セシアの中で私が一番…いやぁん♪ 胸を凝視しないで♪(敵機レオス(共通)) あなたが何が好きなのか、よく理解してるわ。 うふふ…♪(敵機レオス(共通)) レオスは私にぞっこんなのよ?(敵機セシア) 豊満に包み込む。それが女性の価値なのよ(敵機セシア) 正しいセシアというものを教えてあげるわ。手取り足取り(敵機セシア) どんなセシアかと思えば…あっは♪あっははは、はははははは♪(敵機セシア) 攻撃素敵よ♪(2連装ビーム) 瞳ビーム!(2連装ビーム) 可愛いわよ♪(2連装ビーム) 私をご指名ね?(2連装ビーム) ゾクゾクしちゃう♪(2連装ビーム) 興奮してきましたわ♪(2連装ビーム) 快楽をあげるわ(氷結プラズマ弾) 甘い夢はいかが?(氷結プラズマ弾) 快楽には誰も勝てない…(氷結プラズマ弾) こういう快楽もあるわよ?(氷結プラズマ弾) あなたはどんな快楽を知っているの?(氷結プラズマ弾) ご褒美よ♪(ローリングラインアイリスファンネル) 舐めてるのかしら?(ローリングラインアイリスファンネル) いいわ、その調子♪(ローリングラインアイリスファンネル) さぁ…もっともっと快楽を欲して?(ローリングラインアイリスファンネル) 耐え切れるかしら? この私の快楽に(ローリングラインアイリスファンネル) さぁ始めましょう、新たなる快楽を!(ローリングラインアイリスファンネル) さぁ…やられたい者からこっちへ来なさい!(ローリングラインアイリスファンネル) アハハハッ!(アイリスファンネル一斉発射) さぁ、貪りなさい(ワープアイリスファンネル) とっても可愛い…♪(ワープアイリスファンネル) 教えてあげるわ、本当の快楽(ワープアイリスファンネル) もらった!(ドラグーンビームランチャー【連射】) 逃がさない!(ドラグーンビームランチャー【連射】) 愛の衝撃!(ドラグーンビームランチャー【拡散】) 恋の衝撃!(ドラグーンビームランチャー【拡散】) させないわ!(ドラグーンビームランチャー【拡散】) いけ!(ドラグーンビームランチャー【照射】) 快楽の園へ!(ドラグーンビームランチャー【照射】) 愛の一撃!(設置式アサルトアイリスファンネル) 墜ちろ! 私の前に!(設置式アサルトアイリスファンネル) あなたの知らない快楽をどうぞ(アイリスファンネル一斉射出) 快楽を貪れ!(インコムレーザーフルバースト) 快楽へと沈め!(インコムレーザーフルバースト) さぁ、快楽に沈みなさい!(インコムレーザーフルバースト) 極限の快楽をくれてあげる!(インコムレーザーフルバースト) 許しを請いなさい、このセシアに!(インコムレーザーフルバースト) いいわ! いいわ!! もっと!! もっと!!(アイリスファンネルフルバースト) そこね?(蹴り) これが嬉しい?(蹴り) 教えてあげるわ(蹴り) 快楽のその先へ!(蹴り) 気持ちいいと言ってごらん?(蹴り) ほらほらほらぁ!(ファンネルボード突撃) 私の中から迸る情熱!(プレッシャー) 激しいのどんどんちょうだい♪(プレッシャー) 被弾時あぁううぅっ!!(ダウン) おイタが過ぎるわよ!(ダウン) 痛い! …女の扱いが下手ね…(ダウン) サーチ見つけましたわよ ハードに行くわよ? 隠れても無駄なので… みんなで楽しくやりましょう? どんな攻撃が好きなのかしら! 全てはお見通し、丸裸も同然よ ご褒美は…期待してちょうだい? 放っておかれるのは好みじゃないの さぁ…どうやって遊んであげましょうか? 私を本気で燃えさせる強い敵はいないのかしら? レオス…感じるわ、あなたを感じる!(敵機レオス(共通)) あなたのエクストリームも素敵♪ 私のやつには劣るけど(敵機レオス(共通)) 感じる…あなたの鼓動、感じる…あなたの情熱! あぁ! レオスぅ!(敵機レオス(共通)) 覚醒あぁっ…ぁ…はぁん♪ あぁん♪ ゾクゾクしてきた♪ あぁんもう、ゾクゾクしちゃう♪ あなたが目覚めさせたこの感情…どうするの?! 敵機撃破時苦しいのは一瞬だけよ さようなら、楽しかったわ 敗北時こんなの屈辱すぎる… 耐えられない屈辱だわ… 認めません、こんな屈辱…! え? え? え!? ウソウソウソ!? 何? なんなの? どういうこと!? 美しい敗北以外、認められないわ そんなに強く叩かなくても、私はあなたに着いて行くのに…(敵機レオス(共通)) 死んでもあなたをお慕い申しております…さようなら…あなた…(敵機レオス(共通)) ふふっ…ぁはっぁはっ…はははははは…ぁ!こんな不愉快なこと初めてよッ‼︎(敵機セシア)
https://w.atwiki.jp/species5618/pages/265.html
好 ★★★ 辛 ★★ スパイシー ★★★★ 赤い油が浮いているものの基本的にはこげ茶色 スパイシーさが強いが辛さはあとからふんわり 鶏ミンチとダルの感じは目立つが、他のお野菜はとっても小さい賽の目なのであまり目立たない 販売者 株式会社中村屋 所在地 東京都新宿区 ?pc=http%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fprettyw%2Fa00002832ao%2F?scid=af_link_img amp%3Bm=http%3A%2F%2Fm.rakuten.co.jp%2Fprettyw%2Fi%2F10665298%2F (2014.06.16)
https://w.atwiki.jp/city_blues/pages/92.html
「クレイグさーん…」 彼女は学生としての日常を送る裏で今まで共にいた仲間を探していた。 「アイシャさーん…」 しかし、彼女の知る人物は1人としていなかった。 「ネギ先生ー?ゆえー?ハルナー?」 魔法世界の遺跡で出会ってから冒険者として共に旅をした仲間も、魔法世界に来る前からのクラスメートも、想い人の先生も、大切な友人も。 宮崎のどかが 新宿 のあちこちを探しても、彼女を知る人物は見つからない。 「どうしてこんなことにー…」 のどかは公園のベンチに力なく腰掛けて、溜め息を吐いた。 長い前髪の奥に隠れている目には陰鬱さが浮かんでおり、とても心細そうだった。 魔法世界に来た途端、謎の敵から襲撃を受けたと思ったら転移魔法で飛ばされ、気付けばのどかは遺跡の中に独りぼっちになっていた。 傍にはネギ先生も夕映もハルナもおらず、現状を嘆くしかなかったが、 幸いなことにクレイグが率いる冒険者集団に拾ってもらい、なんとか生きながらえることができた。 冒険する遺跡の先々で「鬼神の童謡」と「読み上げ耳」も手に入れ、図書館探検部でいつしか身に着けたスキルを生かしてチームに貢献できたこともあって順調だった。 しかしオスティアでネギ先生と合流するための旅費を稼ぐべく、新たに入った遺跡で見つけた宝の中に『それ』はあった。 「契約者の鍵」。今現在ものどかが所有しているそれを、財宝の山から初めて拾い上げるまでの瞬間で記憶は途切れている。 のどかはまた飛ばされ、この 新宿 で独りぼっちになってしまった。 「ウジウジしてたって何も進まないわよ、ノドカ」 不意にのどかは背中を何者かに叩かれ、「ひゃー」と間の抜けた声を出しながら前のめりにこけた。 地面に手をついて振り向くと、そこには緑色の肌をした長身の女性が立っていた。その背丈は2mを超えている。 女性は背中をポンと軽く叩いたつもりだったが、のどかにとってはかなりの強打となったようで、痛そうに背中を撫でている。 厳密には 新宿 に来たのどかは最初から独りぼっちではない。 サーヴァントを従えて聖杯という万能の願望機を巡って殺し合う戦争――聖杯戦争で共に戦うこととなったサーヴァントが傍にいた。 バーサーカーのサーヴァント、シーハルクが現界していた。 「で、でも、聖杯戦争なんてー…私、人殺したくないしー…でもここから出ようとしても出られないしー…」 服に付いた塵を払いながらのどかはこぼした。 のどかは仲間を探す過程で新宿の外に出ようともしたのだが、橋を渡ることはできても 亀裂 の向こう側へ行くことは透明な壁に阻まれてできなかった。 そもそも、新宿が20年程前に 魔震 が起きて 亀裂 によって外と隔絶された街になってしまったなど聞いたことがない。 のどかは今いる 新宿 も、魔法世界のように別世界なのではないか、と考えていた。 「あなたを見てると昔の私を思い出すわ」 のどかを見ていたシーハルクはため息交じりに言う。 シーハルク――ジェニファー・ウォルターズはブルースから輸血を受けてシーハルクに変身できるようになるまではおどおどした性格だった。 しかし、後に変身自体を楽しむようになって自分に自信が持てるようになり、明るく奔放な女性になったという経緯がある。 「けどー、バーサーカーさん――」 「けど、じゃない!」 弱音を吐こうとするのどかを遮ってシーハルクは強い口調で言う。 その巨大な体躯に圧倒され、のどかは思わず一歩後ずさってしまう。 腰に手を当て、真剣な目でのどかと向き合っていた。 「あなたはこれから何をしなくちゃいけないの?」 「えっとー、ネギ先生やみんな…クレイグさん達と合流することですー…」 「その人達と合流するにはどうしたらいいと思う?」 「この世界から誰とも戦わずに魔法世界に帰るのが一番平和かなーって…」 「じゃあどうやったらその魔法世界とかに帰れると思う?」 「で、できないですよそんなのー…私はネギ先生やゆえみたいに魔法上手じゃないですしー…」 「甘い!!」 再度のどかに対してシーハルクは喝を入れた。 「できるできないじゃなくて、やるのよ!手段が見つからなかったら探せばいい! 裁判だって証拠がないと勝てないから、弁護士は必死にそれを見つけようと努力するのよ! それとも、ノドカの戦いは裁判が始まる前から敗訴してるのかしら?」 「私はー…」 「私はもう一度…ネギ先生やみんなに会いたいです!」 ネギ・スプリングフィールド。もはやただの担任の子供先生ではなく、魔法使いであり、自分の想い人。 辛い過去を背負いながらも偉大な父を追ってめげずに頑張る姿を見て、のどかは何度も勇気をもらった。 引っ込み思案な自分でも、できることがあるかもしれない。 今も魔法世界でネギも、夕映も、皆も頑張っているはずなのに、こんなところで弱音を吐いて立ち止まってなんていられない。 「バーサーカーさん…あなたの力を貸してくれますかー…?」 「もっちろん!私は弁護士でアメリカンヒロインだからね!前衛は任せといて!」 シーハルクはウィンクをしながら、筋肉の詰まった腕をみせつけるように親指を上に突き立てた。 【クラス】 バーサーカー 【真名】 シーハルク@ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3 【パラメータ】 筋力A+ 耐久A+ 敏捷B+ 魔力D 幸運B 宝具A 【属性】 秩序・善 【クラス別スキル】 狂化:E 通常時は狂化の恩恵を受けない。 その代わり、正常な思考力を保つ。 外交的で激しい性格が表に出ている。 【保有スキル】 怪力:A+ 一時的に筋力を増幅させる。魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性。 筋力のランクが上がり、持続時間は「怪力のランク」による。 真名解放すると強化され、筋力の上昇量2倍かつ効果が永続するようになる。 弁護人:A 依頼を受けて法律事務を処理する弁護士。弁論、口述に長けている。 交渉・コネクション形成から口論・罪科の回避まで幅広く有利な補正が与えられる。 さらに、敵に異議を申し立てることで敵の直前の行動を低確率でキャンセルすることがある。 フォースウォール・スマッシュ:E- たまにバーサーカーの言動がとある次元を認識したものになる。 能力の詳細は不明であるが、知ってはならない次元への干渉、 世界のあらゆる存在にとってのタブーとされるものらしい。 似たような能力を持つ者にデッドプール@X-MENがいるが、 こちらは重度の精神汚染の結果として発現して宝具『第四の壁の破壊』として扱われている。 シーハルクのそれは宝具ではなくスキルでランクも低く、運命干渉、現実改変といった効果もないためほぼ死にスキルである。 知り得ぬ情報の知覚こそできるが役に立たないものが殆ど。 【宝具】 『不慮の事故にご注意(テリブルアクシデント)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:? 最大捕捉:? 敵が不慮の事故に遭いやすくなる、いわば敵に降りかかる不幸。 戦闘時に自動で発動する。 戦闘中、敵は幸運をE-ランクにまで下げられ、市街地での戦闘中において不慮の事故(主に交通事故)に低確率で巻き込まれる。 道路上に立っていれば、そこに車が突っ込んでくるかもしれない。 過信は禁物だが、下手をすれば逆転への糸口となる可能性も秘める宝具。 『これが新しいわたし(センセーショナル・シーハルク)』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:- 従兄弟のブルース(ハルク)からの輸血を受け、シーハルクへ変身した自分をエンジョイする様になったジェニファー・ウォルターズの肉体そのものが宝具。 ハルクに匹敵し得る非常に高い筋力と耐久を持ち、ウルヴァリンほどではないがダメージ回復が速い。 さらに、真名解放することでその身体能力をさらに強化することができ、 筋力耐久敏捷にプラス補正がかかる上に怪力の筋力上昇効果が倍増して永続するようになる。 その分、魔力消費量も倍増するのでマスターへの負担を念頭に置かなければならない。 『巨人血液γ型(インクレディブル・ブラッド-TYPEγ)』 ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1 ブルースから輸血を受けた結果、シーハルクへ変身できるようになった逸話からくる宝具。 バーサーカーの体内を流れる血液そのものが宝具。 輸血などでバーサーカーの血が体内入った人間は、バーサーカーと同じように肌が変色して超人的な腕力、強靭な皮膚と回復力を持つ身体へと変身できるようになる。 理論上バーサーカーを利用すれば超人を量産できるが、聖杯戦争による制限で変身している間はその人間から魔力が消費されていくという難点がある。 乱用すればその人間は命の危機に直面するだろう。 【weapon】 たまに街灯などの公共物を鈍器に扱うことがある 【人物背景】 本名ジェニファー・ウォルターズ。 重症を負った際に従兄弟のブルース(ハルク)から輸血を受け、その影響で変身できるようになった弁護士。 ハルクと同様に、超人的な怪力や回復力を持つ。 ハルクと違い、変身後も理性を持つことが出来るが、その反面、抑圧されていた彼女本来の外向的で激しい性格が表に出るようになった。 変化は体だけでなく性格にも及び、以前のおどおどした所はなくなって自分に自信を持てるようになった。 シーハルクになった時の自分が好きらしく、平時もシーハルクのままでいる事が多い。明るく奔放な、力と知性を兼ね備えたヒロイン。 【サーヴァントとしての願い】 基本的にはノドカの力になりたいけど、せっかく現界したんだからエンジョイしたい 【マスター】 宮崎のどか@魔法先生ネギま!(漫画) 【マスターとしての願い】 魔法世界へ帰還し、ネギ先生やクレイグさんと合流する 【weapon】 鬼神の童謡(コンプティーナ・ダエモニア) 相手の名前を見破る魔法具。 名前を見破るときは相手が自分の存在を認識した状態で「我 汝の真名を問う(アナタノオナマエナンデスカ)」と言う必要がある。 ただし聖杯からの制限により、サーヴァントの真名まで看破することはできない。あくまでマスターに向けて使うべき。 『いどのえにっき』の名前が判らない相手には使えない弱点を補っている。 読み上げ耳(アウリス・レキタンス) 文字を読み上げる魔法具。 『いどのえにっき』の内容を自動で持ち主に伝え、絵日記を見るために相手から視線を外す必要がある弱点を補っている。 仮契約カード ネギと仮契約を結んでおり、「アデアット」と唱えるとアーティファクト『いどのえにっき』が顕現する。 『いどのえにっき』は本のアーティファクトで、対象となる人物の名前を呼んでから開くとその人物の表層意識を読むことができる。 有効範囲は半径約7.4m。 対象者に質問するとその質問に対する回答が現れる。 また名前を呼ばずに開くと使用者本人の表層意識が現れることになる。 複数の相手に縮刷版を一冊ずつ割り当て、リアルタイムで思考をトレースすることも可能。 戦闘支援や尋問においては、名前さえ判れば敵の思考や情報を引き出す事が出来る。 【能力・技能】 罠発見能力 図書館探検部で培った能力。 クレイグ達からも一目置かれていた。 読心能力 「いどのえにっき」「鬼神の童謡」「読み上げ耳」を駆使して相手の心を読む。 それぞれのアイテムのシナジーは抜群で、一瞬で周囲の人間関係が把握できるほど強力。 今回の聖杯戦争では、バーサーカーに前衛を任せるとともに敵の思考や情報を引き出して援護するのが主な戦法。 鬼神の童謡の制限の関係上、敵サーヴァントの真名を知ることができれば優位に立てる。 【人物背景】 ヒロインの一人で、主人公ネギ・スプリングフィールドのパートナーの一人である。 前髪で目を隠しているのが特徴。 過度の恥ずかしがり屋であり、男が苦手なので最初にネギに抱かれたときは抵抗感があったのだが、 ネギの優しさに触れることがきっかけで、ネギのことが好きになる。その想いはクラスでトップになるほど。 同じ図書館探検部に所属する綾瀬夕映とは親友であり、ネギ先生との仲を応援し合う仲。 また、本好きからみんなからは「本屋」の愛称で呼ばれている。勉強が得意なのだが運動が苦手で、よく転ぶ。 参戦時期は、魔法世界にてネギと合流する前(24巻)。 遺跡の探検で見つけた宝の中に契約者の鍵があった。 【方針】 脱出の糸口を探す
https://w.atwiki.jp/city_blues/pages/198.html
「ごちそうさまでしたっ!」 「いつもより、少し早いな」 食卓に響く合唱の余韻が消えるより早く、食器を重ねて立ち上がる。 一刻も無駄に出来ぬとばかりに台所に走り、食器を洗い始めるセリュー・ユビキタス。 それを無感情な、爬虫類の瞳で見つめる異形の男の名はバッター。 迅速に洗浄を終了し、水切り棚に食器を乗せてから洗面台へ歯を磨きに向かう己のマスターを見つめながら、彼は鼻腔を鳴らした。 「気が急いているのではないか、セリュー」 「もごもご……」 「昨日と今日の差異は、俺達の内にはない。外界の変貌に対応するためには、俺達は一定でなくてはならない」 バッターに話しかけられ、慌てて水を含んだ口を動かすセリュー。 ぷはぁ、と息を継いで口元を拭い、バッターに向き直る彼女の目には、確かに焦りが宿っているように見えた。 「はっ、はい。緊張してるのは否定できませんね……普段通りにすればいいって分かってはいますが!」 「お前の目的に対する克己心は好ましい。だがそれも過ぎれば任務に支障を来たすことになる」 「平常心、ですね!」 ビシッ、と敬礼を決めるセリュー。大きく深呼吸をして、ズサァァァ、と擬音が立つ勢いでちゃぶ台の脇に座り込む彼女は、落ち着く時でも全力だった。 当然のように正座しながら真剣な表情で正義への熱い思いを巡らせる彼女を見て、バッターはこれもこれで平常か、と頷いた。 数分の沈黙の後、バッターの顔色を窺うセリュー。余人が見ても分かるべくもない、狂人なりの平静を見て取ったバッターが口を開く。 「今日は、図書館に行く予定だったな」 「はい、この本を返さなければいけないので!」 セリューが取り出した、法律や警察権に関する数冊の書籍には、蔵書印が押されている。 警察官を目指して上京した蛍雪の功持つ女性、というロールのセリューに割り当てられていた住居には、当初より設置されていた物品であった。 掃除の際にその存在に気付き、一通り目を通した後で巻末に貼られた貸出期限の記録簿を見て返却の義務がある、と悟ったセリュー。 「連絡をしてみればこれ、本来貸し出せない種別の物を特別に預けていただいているらしくて……」 「便宜を図った労力に報いないのは、正義の行いとは言えないか」 「仰るとおりです! 借りる期間を延長するほど、興味を引く内容でもありませんでしたし」 あけすけに語るセリュー。バッターはそうだろうな、と心中で呟く。 多少の異状はあれど、現代日本を基幹とした 新宿 においてセリューのロールが目指す警察という機関、引いては国が持つ常識 = 世界観は、その水準に則ったものとなる。 民事不介入の原則がある時点で、セリューが列席を保てる組織ではないのだ。 彼女はむしろ積極的に民の抱える問題に首を突っ込み解決する事を生きがいとするタイプであり、属していた機関はそれを容認・助長するものであった。 己を改める気など毛頭ないセリューにとって自身のロールは完全に形骸化しているといっても過言ではない。 日々のニュースを見て、国や警察の不祥事とそれを正せない現実を覚知したセリューの表情は、それを思い出すたび曇りを深めていく。 元居た世界では決して見ることもなかった、セリューにとっては存在しない事象である。 「私がもっと頭がよければ、こんな悪法に惑わされているこの国の民の方々を助けてあげる事も出来たんでしょうか……」 「それはお前の任務でも、俺の任務でもないな。俺達には決して余裕はないぞ、セリュー」 「そうですね! 聖杯なんて物に頼らず、世界を正義に満ちたものにする為に戦う……それが私とバッターさんの使命でした!」 ばっさりと逡巡を断ち切るバッターの簡潔さに、セリューは我に返る。 脇道に逸れそうになる人間とそれを導く先達は、全くもって真っ当な関係と言えた。 「ああ、連絡といえば……」とセリューが携帯電話を取り出す。 化石のような旧機種のそれは、固定電話のない安アパートに住むセリューが契約から二ヶ月完全無料、という謳い文句に引かれて取得した端末である。 自身には想像すら出来ないほど電子機器が発達した 新宿 においても、この小さい機械で遠隔地にいる人間と意思疎通が出来るという事実は白眉の驚愕をセリューに与えていた。 半ば衝動買いのように入手した後で、自分がこの街で会話する相手がバッターしかおらず、己がサーヴァントとは念話で十分事が足りる事に気付いたという落ちなのだが。 それでもこの携帯のおかげで、セリューの情報収集や行動の幅には格段の広がりができた。 特別な権限や卓越した対話力があるわけでもない彼女だ、初期には聞き込みにもいまいち成果が上がらない事が多かった。それを補う為の役に立ったのだ。 ソーシャルメディアを利用するのはハードルが高かったが、匿名の掲示板などを端末から閲覧する事で、街の噂を知り、自分の足で確認するという手法。 そしてもう一つ、そういった掲示板にえっちらおっちら書き込みをしている中、出会い系じみた流れでセリューが通話による交流を持った男性が一人居た。 「ふーむ、電話はかかってきていないみたいですね……"るすでん"というのも、……なし、かな?」 「例の"足長おじさん"か。顔が見えない相手だ、それほどアテにはしないことだ」 「でもあの薄汚いマンションの情報といい、あの人は信頼できる方だと思いますよ!」 先日、悪の巣窟たるヤクザマンションを全滅に追い込めたのも、バッター言うところの"足長おじさん"からの無償の情報提供の甲斐あっての成果だった。 病院施設に逗留しているとの事でセリュー側から連絡することはできないが、時たま通話や留守録で世間話や新宿の危険なスポット(セリューにとっては狩場であるが)を教えてくれる彼に、 セリューはかっての師オーガ、その友人で自分に力を与えてくれたDrスタイリッシュ、そして最も尊敬するバッターに次ぐ信頼を感じていた。 「あっ、そうこうしている内にもう8時ですね、バッターさん! 図書館が開くのが9時ですから、そろそろ出かけないと!」 「図書館の位置は大久保か。歌舞伎町ほどではないが、ここから歩きでは少し遠いな」 「免許証がありますよ。これを使って、自動車というのに乗せてもらいましょうか? 20枚くらいあるから、行き帰りで2枚くらいなら使っても」 「この国の交通はそういう仕組みではない。電車を使うべきだな」 「そうなんですか! この街は私がいた帝都とは勝手が違いすぎて色々戸惑いますね……」 ちゃぶ台の上に置かれたのはセリューが殺したヤクザから強奪し、人別帳代わりにして次の標的を定める為に使っていた免許証の束。 バッターが僅かに首を傾げる。彼のマスターが清貧生活を送る理由の多くは、この紙片と最低限必要な武器以外に、殺した相手から金銭や物品を奪い取らない事にあった。 それどころか初期には、「悪党が不当に貯めこんだお金は、国庫に返還されるべきですよ」と語り、あろうことか警察機関に連絡して回収を依頼しようとしていたものだ。 バッターとしては生前……といっていいのかはともかく過去の経験から、浄化した相手にとって不要となった金品を奪うことは当然の権利だと考えるのだが。 文明への理解はバッターの方が深いだろう。社会への理解はセリューの方が常人に近いだろう。 しかし二人は共に、致命的に普通人からかけ離れていて、それでいてどうしようもなく、俗世からは解脱できない存在なのだった。 ◇ ……俺が刑事になってから数年になる、と思うのだが。 張り込みというものは、何度やっても退屈で自分の人生を浪費させられているように感じるものだ。 しかも非番の日に、大量殺人鬼の塒を、明らかに危険であると知っていて、一人で張り込むとなれば、諸行の無常を嘆かずにはいられまい。 「まったく、世の中って奴は……」 だがしかし、今朝方入った情報を知った後では、休日の返上も止むを得ない。 刑事という職についていたのは全く持って幸運だった。他の誰よりも先んじるチャンスを得られたのだから。 セリュー・ユビキタス。この帰化外国人こそが、 新宿 を震撼させている大量殺人事件の一つ、「歌舞伎町マンション殺戮」の犯人である事を知るのは、新宿警察署の人間くらいのものだ。 防犯カメラの映像が残っていることから完全に断定されているにも関わらず、それが公表されていないのには、とても奇妙な事情があった。 重大犯罪に対し、警察組織はできる事ならば極秘裏に捜査を進め、犯人逮捕と同時に会見を行うことで自分たちの行動の成果を市民に示すといった結果を望む。 セリューに対してもそれは同様で、凶悪な殺人の手口を鑑みて十分過多な人数を動員し、万全な装備を整えての突入・制圧作戦が行われた。 しかし結果は、作戦に参加した全署員の行方不明という結果に終わる。あまりの異常事態に上層部は体勢を立て直すのに大わらわ、当然セリューを刺激するであろう大本営発表にも二の足を踏む。 暴力組織が関わる一件だけに、セリューの情報を完全に秘匿し、署内から外部に漏らさないようにしていたのが不幸中の幸いだった。 万が一裏社会の連中に知られることになれば彼らが報復の為に動き出し、現状なんとか捕捉できているセリューが拠点を移して『第二の遠坂凛』にもなりかねなかっただろう。 新宿警察署という組織が全霊を尽くして情報を隠匿すれば、ヤクザたちに情報が渡る事を防ぐ事は可能なのだ。大量殺人が多発し、署内で非常事態宣言が発令されているからこそでもあるが。 「もっとも、それはあちらも同じ事だろうけどねぇ」 異常な事態に突き落とされた 新宿 において、暗然と存在していた個人レベルでの警察と極道の温い癒着は完全に消滅していた。 平時に両陣営を行き来していた、利害関係を壊しすぎないリークが、今ではまるで回ってこない。 極端な物の言い方をすれば、 新宿 は紛争状態に片足を踏み込んでいるのではないか、と思えるような混沌に支配されているのだ。 「……出てきたか」 帝都の明日を憂う間もなく、安アパートの一室からポニーテールの可憐な少女が飛び出してくる。 肩掛けバンドがついた竹刀袋を背負い、世界に対して何一つ恥じる事などない、とばかりに胸を張り歩くその姿に、暗い犯罪の色を見て取ることは不可能だろう。 車道に走り出ようとする子供の首根っこを掴んで止めては諭す生真面目さ、横断歩道に踏み入っては老婆の手を引く優しさには周囲から微笑ましい視線が送られている。 虐殺の映像が残っているにも関わらず、あれは何かの間違いなのでは、と思ってしまうほど完成された擬態だ。 それでも、尾行には細心の注意を払う。数少ない報告ではセリューは尾行に気付き、撒こうとするような様子は一切見せた事がないとのことだが、間違っても油断していい相手ではない。 「遠出するみたいだな……面倒くせえ」 最寄の駅に向かっている事を察し、盗聴防止の対策を施した端末を取り出して通信、その旨を伝える。 きょろきょろと周囲を見回し、他の客に倣って切符を買うセリューの後方に回り、どのパネルを押しているか確認、「新大久保だ」と通達。 何食わぬ顔で同じ切符を購入して、同じ車両に乗って移動する。まさかここで殺しをおっぱじめないだろうな、と心配だったが、それは杞憂だった。 痴漢を見つけて捕らえ、駅員に突き出した以外は特に何事もなく新大久保駅で降りたセリューは、地図を広げながら休む事なく歩いていく。 「挙動にブレがない女だな……逆に薄気味悪い」 どうやら区立図書館に用があったらしく、ガラス張りの自動扉をくぐって丁度開館した施設へ入っていく。 駐輪場に放置され、撤去予告の張り紙が貼られた自転車の脇にしゃがみ、錆びたチェーンに携行していた油を注す。 長い用事ならまたここで張り込みだな、と思わず溜息が出たが、幸いにもセリューは数分で図書館を後にした。 駅とは逆方向に歩いていく……好都合だ。後姿がかろうじて見える、程度の距離が開くのを待ってから尾行を再開する。 まったく、単調な足取りだが、単調こそ順調の証。セリューに、じわじわと間合いを詰めるこちらに気付いた様子はない。 「このまま進むと……よし」 端末を通して相方に指示を出す。彼が選んだ待機場所にセリューは向かっている。 平時、パトロールのような行動を取っている彼女は、新しい場所に来ると高確率で小学校、幼稚園のような施設の外郭を一回りする。 侵入しようとしているわけでも、子供好きで子供を見に来ているわけでもなく、その姿は自警団のような印象を与える。 上層部に伝えても困惑されるだけだと判断し、主任か係長辺りが止めているとも聞く情報だが、末端なりの横の繋がりで聞き及んだのだ。 今回もそうするという確信があったわけではないが、相方が待機するにはこの辺りは丁度いい土地だった。 「……む」 周囲に建造物が多く、死角も多い小学校の西側にセリューが差し掛かった時だった。 ゴン、と鈍い音。数秒遅れて、ヒュゥゥゥゥ、と気の抜けた口笛のような響きが、セリュー以外に誰もいない通りに届く。 即座に異変を察知したセリューは誰何の声も上げず、一速足に音の発生源、路地裏に駆け込んでいく。 ……ここで走って追いかけるのは素人のやることだ。セリューが飛び込んだ路地前まで静かに近づき、鉄火場の様子を窺う。 喧騒と同時に、アスファルト塀が崩れる音が響いた。何か、危険な事態が起きている事に疑いはない。 唇に舌を這わせて乾きという緊張を押さえ込んで、無言で路地裏に進む。 角から一息に身を出した俺の目に映ったのは、 新宿 においてもまさしく非日常の光景といえるだろう。 「ッッ!? 退っ……」 「■■■■■■ーーーーーーーーーッ!!!!」 まず目に入ったのは、市街地に居て良い存在ではない二体の猛獣だった。 片や四足で舗装された大地を踏みしめる、人面のヌエ。長い舌を伸ばし、全身から鬼気を放っている。"四凶"の一角、トウコツの名を冠する悪魔だ。 片や―――余りにも理解に苦しむ姿形なので我が目を疑う―――野球のユニフォームと、ありふれた金属製のバットを持った、ワニ頭の男。"バッター"だろうと、推察した。 トウコツの足元には、髪を逆立てた成人男性の無残な死体が転がっている。脇には、相方に持たせていた通信端末。 喉笛を噛み切られ、ハラワタを貪られたその酸鼻な末路は、まさに 新宿 で多発しているミンチ殺人の被害者だった。 位置的に俺に最も近い、ワニ頭の背後でトンファーを構えるセリューが、「逃げろ」と叫ぶ。 同時に巨獣が飛び上がり、セリューたちを飛び越して俺の目前に全長4mはあろうかという体躯を下ろす。 その口が喜悦に広がる前に、セリューのトンファーが放火を噴いた。ヤクザマンションの監視映像にも映っていた頓狂な武器による攻撃が、正確な狙いで目標に着弾する。 「■■■…~」 「バッターさん、代わります!」 「痛ましい姿をした、穢れた魂よ。俺はお前を滅ぼし、濁った悪意から世界を解放するために来た」 巨獣は唸り声を上げ、俺に背を向けながらその豪腕を頭上に掲げた。鋭利な爪が、報復の一撃を加えんと大気を裂く。 だが銃弾が悪魔の肌に難なく弾かれるのを見て取ったセリューは、素早く己の従者と立ち位置を入れ替えていた。 コンマ数秒でセリューの前に回りこんだ従者の、あまりにも早い走塁がアスファルトの地面を融解させてスチームじみた煙を生む。 指向性を持って殺到した熱煙が獣の本能を刺激し、速度を鈍らせた。しかし、獣の右腕は人間を五人引き裂いて余りあるほどの威力を残したまま揮われる。 間一髪セリューの前に出たワニ頭がバットを脇構えの変形に構えてその一撃を受け止める。 先端が垂直に地面を指す棒術の素人のような姿勢で、しかも片手で持たれているただの棒切れに、渾身の爪打が打ち込まれた。 しかしバットは折れるどころか傷の一つも残る事なく、その衝撃を受け止めた。持ち手の足元が沈み、無数の罅が地面に走るが、それだけだ。 煙の余波を避けるべく後退していた俺ですら直下型の地震かと思うほどの一撃を、男は容易く捌いたのだ。 「力は相当な物だ。……衝撃波の類に耐性があるようだな」 微塵の忍苦も感じさせない声色で、淡々と言葉を発する持ち手の目に、不気味な光が宿った。 敵を値踏みするように観察する鰐の瞳は、凶眼(エボニー・アイズ)と呼ぶに相応しい暴力的な怒気を孕んでいる。 前腕を下ろして体勢を立て直そうとするトウコツの、好戦的な笑気を絶やさぬ顔面にバットが打ち込まれる。 ホームランを確信させるような快音と共に、その下顎が跳ね上がった。 細身の男に殴られたとは思えぬほど軽々と、巨体が宙に舞う。戦闘中に出来た数秒の猶予を逃さず、打ち上げた男は手首を回すような仕草を取る。 瞬間―――まるで最初からそこにいたかのように、男の周囲に光体が存在していた。 リング状のそれは三対在り、グルグルと旋回して光子を撒き散らしている。 「―――――っ」 その名状しがたい光輪が視界に入った時、俺は意識せず崩れ落ちていた。腰が抜けた、という奴だ。初めての体験、初めての体感。 全身から力が抜ける。触れてはならないもの、見てはならないもの、聞いてはならないもの。 それらに同時に接してしまったかのような言語化できない、神仏に対する畏れと錯覚するほどの何かを、魂が識っている。 光輪が動きを止める。中空から獣ならではのボディバランスで着地したトウコツもまた、その威容に目を見張っていた。 だが、中原の四方に放たれた悪神の一柱であるトウコツに、戦いから逃げる選択肢など存在しない。 己を鼓舞するかのごとく咆哮し、その爆音の中に衝撃系の魔術を織り交ぜながら突進する。 殺人鬼のセリューですら息を呑み、常人なら生じた威圧に触れただけで魂魄が消し飛ぶであろう猛進を前に、"バッター"は眉一つ動かさない。動いたのは、光輪だけだ。 「■■……■■■■■■ーーーーーーーーーッ!!!!!!」 「臆病者ではないらしいな。だが、穢された魂の起こす行動になど、一遍の実も結ばせてやるものか」 三つの光輪が同時に輝く。見た目上なんの差異もないそれらから、まったく異なる三つの現象が解き放たれた。 光の鎖が巨獣に纏わりつき、動きを封じると同時に発光して皮が焼け焦げるような臭いを撒き散らす。 何の抵抗もなく空間上に突如出現した数枚の極薄板が、トウコツの鋼鉄のような骨ごと四肢の半分、右腕と左足を切り落とす。 輝きと音を認識しただけで一幕の劇を想起させるような超自然的念動波が、板が開いた傷口から侵入して霊肉と神経を破壊していく。 吶喊も虚しく、トウコツはその場に停止した。バチッ、とその身体を紫電が走る。限界が来ているのか。 「セリュー。お前に殺せる程度にまで弱らせた。今後の為にも、一度霊的存在を浄化してみろ」 「はいっ! ご配慮、感謝します!」 消えていく光輪の一つが去り際に光を放ち、セリューの身体が霊気に包まれる。 憎憎しげに視線を飛ばすトウコツを相手に、全く怯むことなくセリューが飛び掛る。 四肢の損壊により立つ事すらできず、寝そべったまま応戦している現状でも、トウコツの攻撃は人間に耐えられる威力ではない。 ヤクザマンションを襲撃した時とは一線を隔す敏捷性を何らかの秘術で得たとはいえ、セリューの表情に余裕はない。 鞭のように自在に振るわれる尻尾。不意に繰り出される、衝撃系の魔術。 一撃でも貰えば致死の攻撃を回避するセリューの体術は、俺の目から見れば従者のそれより洗練されていた。 トウコツや"バッター"とセリューでは技術以前に『数値』があまりにも違いすぎるので、その部分だけが優れていても大した意味は感じないのだが。 それでも、攻撃に関してのセリューの『手の多さ』には目を見張るものがある。 「はっ!」 背負っていた竹刀袋から匕首を取り出し、トウコツの顔に向けて投擲。 それを打ち払った際に一瞬動きを止めた尻尾を、纏う霊気によって強度を増したトンファーで斬り落とす。 全体の五分の四ほどの長さの尾を鞭のように扱い、強かにトウコツの目を打ち据え、隙を生じさせる。 素早くコンクリート片を蹴り上げ、鞭の先端に結び付けて振り回し、遠心力を利用した一撃を敵の頭に叩き込む。 砕けた塀から鉄製の芯棒を抜き出し、身の丈程のそれを槍のように構えて尻尾を失ったトウコツを安全域から痛めつけていく。 「ドクターが開発していた新しい武器を使いこなす為、課された訓練の成果だ! 罪もない人を喰らう悪め、これこそが正義の裁きィ! 正当な苦痛を受けて、死ね!」 「的確な攻撃だ。言葉とは裏腹に、迅速に浄化をこなせ、という教えも守っている。……導くとは、こういう気分になるものか」 一度劣勢に回れば、手負いの猛攻すらできなくなるのが現実。 トウコツはやがて抵抗の兆しすら見せなくなり、力なく首を垂れた。 容赦なく襲い掛かるセリューの手が止まる。慈悲など当然ない。 手心を加えたのではなく、突如トウコツの身体を走る紋様に異変を察したのだ。 様子を窺うセリューの前で、トウコツの身体が萎んでいく。 数秒後、トウコツの居たところに横たわっていたのは、魔獣が受けていたのと等しい瑕疵を負った……小学生低学年ほどの子供だった。 無言で駆け寄って、手足を失った少年を抱き起こすセリューには慈悲など、当然、ない。 「正体を現したな、悪め」 目の前の子供にどんな事情があろうがその事情も悪に墜ちた事も許さないという意思が、彼女の表情をそれこそ悪魔的な狂笑に変える。 セリューは怯えた表情を浮かべる子供の口腔にトンファーを押し込み、即座に発砲した。 脳を貫いた弾丸は頭蓋を貫通して上空に抜けた。激しく痙攣する少年を放り投げ、確実に絶命させるために、砕けた頭に更に弾丸を撃ち込むセリュー。 「まさか悪党が危険種みたいな化け物に変わるなんて……驚きましたね!」 「恐らくはキャスターのクラスのサーヴァントの仕業だろう」 「まったく!主催者の思惑に乗ってなんて傍迷惑な事を……そのサーヴァントは悪、間違いないですよ!」 「亡霊を生み出す存在だ。必ず滅ぼすぞ」 狂人たちが、狂った正義を語っていた。 腰を抜かした俺に気付き、困ったような笑みを浮かべてセリュー・ユビキタスが近づいてくる。 「怪我はありませんか!? ……な、なんと言ったらいいのか……この件は忘れてくださいね、じゃ済みませんよね……」 「いや……心配することはないよ」 そうだ。聖杯戦争の秘匿など、気にする事はない。俺は既に知らされているのだから。 先の出来事の全ては予定調和……計算外だったのは、セリュー達と俺達の戦力差だけだ。 二人が俺の平静すぎる態度に反応するより早く、身体に紋様が走る。 今日の俺は刑事として行動していたわけではない。非番の日に滅私奉公するほど、立派な人間ではない。 何せ"あの女"から悪魔の力を得てからというもの、両手足の指では足りないほどの人間を殺して喰らってきたんだからな。 今しがた始末された俺の相方……両親を殺した後、実験台として"あの女"に差し出した孤児も同じだ。 悪魔化し、俺に脅されるがまま凶行を重ねていたあのガキも、所詮は醜い人間。他者を蹴落として力を得る事に快感を覚えていたに違いない。 「……まさか!」 頭のない、異形の蛇のような姿を強く連想する。 コンマ数秒で変身は完了し、力ある言葉を放ち眼前のセリューを攻撃できるだろう。 どれだけの手傷を負わせられるかはわからない。仮に殺せたとしても、次の瞬間バッターに殺害される事は容易に想像できる。 だがその結果は、この場を切り抜けたとしても同じ事。自分より強い悪魔を預けられておきながらヘマをして死なせてしまった俺を、あの女は決して許すまい。 俺にとって生き残る道は、今日この場でセリューたちを殺し喰らう、それだけだったのだ。 あの女が知った、聖杯戦争なる闘争の参加者と、俺が知っていた殺人事件の犯人が重なった事が、そもそも不幸だったと諦めるしかない。 それならば、せめてその相手に吠え面をかかせてから……死んでやろうじゃないか。 「マハ――」 呪文を解き放とうとする刹那に、走馬灯のように過去の映像が浮かぶかな、と思ったが、そんな事はなかった。 思い出すのは、あの女に出会ってからの記憶だけ……逆らえない屈辱と見下される羞恥に苛まれる日々の記憶だけだった。 脳裏に僅かな疑問が浮かぶ。疑問の本質すらはっきりと分からないような、小さな違和感。 俺は、俺の命を生きていたのだろうか。何もかも忘れたまま、他人の生を歩んでいたのではないだろうか、というような。 自分なら、この状況になれば必ず言うはずの心の底から湧き出すような言葉。 それに鍵がかかっていて、もどかしく腹立たしい、そんな。 そんな疑問は――――――。 「ドーモ、セリュー・ユビキタス=サン。ソニックブームです」 文字通りの爆音に、かき消された。 何かが飛来して、頭を踏まれた……それが俺の最期の認識で。 「っヨッ…世の……ナ…カ……マッポー!!マッポーーーー!!!!!アイエエエエ!ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」 その"何か"を認識した瞬間に全身を支配する、冒涜的ニンジャ・リアリティ・ショック。 どこかの異世界から響いているのではないかと思うほど自分の声には聞こえないそれが、俺の最期の言葉になった。 ◇ 【……本当に行くんですか?】 「おい、おい、セイバー=サンらしくもねえ。何度も説明する気はねえぜ」 【理屈はわかったんですがね……】 ありふれたマアマア・タカイビルの前にありふれたサラリ・マン。 独り言を呟いているのも、近頃のシンジュクではそう珍しくはない。 僅かに往来を歩く者の目を引くのは、サラリマンのスーツの下から覗き見える金糸のシャツくらいのものだろうか。 アント行進めいてビルに群がる経済戦士たちは、彼の顔を見てアイサツを交わす。 柔和な笑みを浮かべて応じ、誰も居なくなればハンニャもブルーフェイスになるコワモテ男に戻るサラリマン、名をフマトニ。 しかしサラリマンとしての名前はあくまで擬態。ソウカイ・シックスゲイツのニンジャネーム・ソニックブームこそが彼の本名なのだ。 「今日で見納めなんだ、固い事は言いっこなしって決まっただろうが、エエッ?」 【決まったときには本戦は始まってませんでしたがね】 「サイオー・ホース! ま、丁度いい区切りになったと思おうぜ、セイバー=サン」 新宿 の聖杯戦争に望み、記憶を取り戻したフマトニ=ソニックブームは、勤務していた商社に退職願を出した。 受理されたのが三日前、最後のタダメシ・サラリー消化が昨日。 最後にお世話になった職場の皆さんにアイサツをしてから去る、とソニックブームがセイバー・橘清音に告げたのが、二日前の夜である。 仮初とはいえ組織に属していたのだから何も言わず去るのはスゴイ・シツレイに当たる、というソニックブームの言葉に同調したセイバーではあったが、その時とは状況が変わってしまった。 聖杯戦争本戦の開始の通知、そして危険な主従の情報開示と討伐令を受け、自分たち以外のサーヴァントとマスターも積極的に動き出すだろう。 令呪が極めて分かりやすい位置にあり、本人にコソコソと隠すつもりがまるでないソニックブームは、最も捕捉されやすいマスターだと言える。 本戦が始まるまでに三度も主従に襲撃されたのがいい証拠だ。 【そう思うようにしますよ。これまで倒した人たちに仲間がいた時の為に拠点も変えずに誘いを打っていましたが、杞憂だったみたいですしね】 「アー……そうだな。南元・マチのなんとかってストリートが実際住みやすそうな噂を聞くが?」 【いえ、先ほど不動産屋に行って新居の用意はしておきました。俺は今からそっちに移りますから、貴方もNOTEを閲覧して住所を確認してください】 「流石セイバー=サン、仕事が早ぇ。俺の荷物は?」 【必要なら梱包して運んでおきますが】 「任せた」 マイドの名残でタイムカードを押しそうになり、受付嬢と談笑してから社内に入るソニックブーム。 エレベーターを使わず階段を上がり、脳内にセイバーの宝具、『目覚めた自由の翼(むげんまあいのNOTE)』のイメージを浮かべる。 セイバーがNOTEに書き込んだ新居の住所を文字として認識した。実際シンジュクに来るまでは考えもしなかった体感だ。 七階の踊り場から自分の勤めていた部署に通じる廊下に入る。 挑戦的かつ意欲的な売り上げ努力への喚起を誘うスローガンが無数に張られた掲示板を脇目に、ガラガラと引き戸を開けて神聖な職場に踏み入った。 「ドーモ、ミナサン」 「オオッ」「フマトニ=サンだ!」「ワーーッ!」 「おーおー、フマトニさん。よく来たねえ。優秀な君が退社とは困ったが、部長の私は良き先輩として君の門出を祝うしかない立場上」 その仕事ぶりから職場で信頼を得ていたソニックブームの周囲に、同僚たちが集まってくる。 しかし始業時間まで間もない割には、その人数はソニックブームの予想を超えてまばらだった。 普段ならズラリと並んだデスクが満員だというのに、今は半分も埋まっていない。 ところどころに置かれる花瓶を見れば、ジュンショク・シャが昨今の新宿環境問題で出ていると察しはつくが、それを差し引いても欠席が多い。 ドタドタと足音を立てて近づいてくる部長に一礼し、ソニックブームはこの奇妙な現象の訳を尋ねてみた。 肥満体の部長は、汗を拭きながらデスクを見渡して言った。 「それがさっぱり分からんのだ。誰からも連絡がないし、他の部署でもこの有様だそうでな」 「電車でも脱線したのでは?」 「いや、来てない奴が皆同じ方面に住んでるからそうじゃないかと思って問い合わせたんだが、違うらしい」 「それはかなり奇ッ怪ですね……」 まあともかく、と部長は困り顔から満面の笑みに戻り、分厚い茶封筒を差し出した。 フマトニの一ヶ月分のサラリーの半分ほどの額だがカンパ餞別だ、と遠慮するソニックブームの懐に金をねじ込む。 さらに今夜は丁度週末なので送別会という名目で飲み明かそう、と誘う。 「ユウジョウ!」「ユウジョウ!」 「ハハ……」 和気藹々とした同僚たちのアトモスフィアに愛想笑いを返すソニックブーム。 内心では、真面目に生きているモータルの皆さんとユウジョウはできねえよ、などと悪態をついていたのだが、空気を破壊するような事はしない。 ニンジャも時には奥ゆかしいのだ。 十分礼儀は果たしたと判断して別れのアイサツと共に部署を後にするソニックブームに、部長が一人見送りだと言って着いてくる。 並んで階段を降りながら、彼は感慨深げに切り出した。 「なあ、フマトニさん。君は退社してこれからどうするんだい?」 「特には考えてませんが、新宿でお目にかかる事はもうないでしょう」 実際、会社を出ればフマトニの姿はソニックブームへと変わり、再度出現することはない。 両者を結び付けられる者が余人にいない以上、フマトニはこの街から消えると考えてもいいだろう。 部長はその言葉を額面通りに受けとったようで、「確かになぁ」と頷いて困ったような笑みを浮かべた。 「何せ、今の新宿は酷い有様だ。こんな街を出て行きたいって気持ちも、分からんじゃあないよ」 「恐縮です」 「ま、それでもフマトニさんが我が部署で立派に働いてくれていたのは事実。街が静かになって、都合が合えばいつでも戻ってきてくれ。上へは私が口利きする」 「感謝の極みです、ブチョウ=サン」 ニンジャとして暴力の世界に生きる事を是とするソニックブームだが、フマトニとして過ごした経済生活も決して悪いものではなかった。 重金属酸性雨も降らず、暗黒メガコーポに支配されているわけでもない平穏な国が嫌いな者などいるものか。 しかしこの街が平穏を取り戻す時、ソニックブームはこの街にはいない。 醜くもすっかり馴染んだ己の生き場所・ネオサイタマに戻るか、一敗地に塗れて死んでいるだろう。 ソウカイ・シックスゲイツのニンジャ、ソニックブームに迷いや未練など微塵もない。生き残って最後に笑うよう努力するのみだ。 一階エントランスに到着し、部長に向き合ったソニックブームは最後のサラリマン・オジギを交わす。 「ブチョウ=サン、見送りはここまでで結構です。オタッシャデ!」 「サヨナラ!」 爽やかな気持ちでフマトニとしてのロールに別れを告げ、ソニックブームは商社を後にした。 スーツを脱ぎ捨て、天を衝くヘアー・スタイルを醸成し、メンポを被りながら気を吐く。 これにて現世のしがらみは清算。聖杯戦争に専念するのだ。 「と、いっても願いも決まっちゃいねえんだがな……ン?」 とりあえず、連絡もなく休んでいる同僚達が住む西新宿方面にでも行ってみるか…と考えた直後だった。 商社を離れてブラブラと歩くソニックブームの常人より三倍は優れた聴力が、喧騒を聞きつける。 バイオ・スモトリよりも凶暴そうな獣の声。明らかに尋常な事態ではないと察したソニックブームは即座に足を地面に踏みしめた。 直後、彼の身体は野鳥のごとく飛翔。ビルの三階ほどまで跳ね上がり、群列するアパート・マンションの壁に足をつけた。 目撃者がいればニンジャを想起せざるを得ないほどの機動性で壁を駆けるソニックブーム。 市街地におけるショートカット・ワザマエにおいてニンジャを凌駕する者はとても珍しいのだ! パイプや室外機を踏みつけ、眼にも止まらぬ速度で音源地に到達する。その場には、怪物の死体と、見覚えのある者たちの姿があった。 一瞬の逡巡もなく、ソニックブームは彼らが敵対していると判断したモノノケじみて変化しようとする男の頭を踏みつけにして、その場に足を下ろす。 息を呑む女をもう一度眺めてその素性を確信、セイバーに念話を送りながら、ソニックブームはニンジャとしてのアイサツを行う。 「ドーモ、セリュー・ユビキタス=サン。ソニックブームです」 足元の男が何か呟こうとするのを最期まで聞く事なく、ソニックブームはその頭を踏み砕いた。 ◇ ニンジャが出て挨拶された。 あまりに突飛な出来事に、セリューは数秒硬直していたが、自分の前に出たバッターの姿を見て我に帰る。 悪党を仕留めたと思ったら、目撃者もまた悪党。その目撃者が牙を剥くと同時に殺害したニンジャは敵か味方か……。 セリューの名前を知っているという事は、討伐令を確認した聖杯戦争の参加者に相違あるまい。 いかにもチンピラのような暴力的な様相だが、ニンジャとしか形容しようのない不気味さをも全身から放っている。 しかし、巧妙に擬態しセリューの隙を突いてきた敵を排除するというニンジャ・ソニックブームの行動が、セリューの判断の撃鉄を留めていた。 「俺は"バッター"だ。神聖な任務を果たす為に来た」 「ドーモ、バッター=サン。……そこのガキと男はテメエ等が殺ったのか?」 「子供は、何者かに魂を穢された怪物だ。我々が浄化した。男はその被害者だ」 「その通りです! ええと、ソニックブームさん。確かに私はセリュー・ユビキタスです、よろしくお願いします」 動じる事なく自己紹介を行ったバッターに倣い、セリューも敬礼と共に名乗りを上げた。 対するソニックブームは、悪魔と人間の合間のような形態になって死んでいる足元の男をぐい、と担ぎ上げて横目でまじまじと眺めている。 完全に絶命したにも関わらず、並みの使い魔のように魔力が霧散して消滅しない事例は、ソニックブームも幾度か目にしていた。 「こいつらも例のミンチ殺人事件の下手人ってわけだな、エエッ?」 「殺された者の死体の状況を見れば、そう考えるのが妥当だろう」 哀れ血肉を貪られた青年の死体のような者は、今や新宿の至る所で発見されている。 あまりに広範囲で起きている為カルト教団か都市テロ集団か、と恐れられる事件の真実は、こういった悪魔たちが各地で暴れまわっているという事なのだろう。 組織的でない多数の犯人が存在する同じ手口の殺人、と当たりをつけられる者はいるかもしれない。 しかしそれら犯人たちが人外の魔物だと想定できるのは、聖杯戦争の参加者くらいのものだった。 ……数秒の後、緊迫する空気を打ち破るように、ソニックブームが突如声を上げる。 「アッアッ……うちのサーヴァント=サンがテメエ等に聞きてえ事があるってんで、代弁するぜ」 「霊的存在はお前の傍にはいない。少なくとも、念話が届く距離にはな。虚勢を張っているのか?」 「ウルッセー、色々とあるンだよ。エー……【何故 新宿 の住民を百名以上も殺した?】だとよ、バッター=サン、セリュー=サン」 バッターの持つスキル、対霊・概念に対する知覚力は、ソニックブームのサーヴァントを捉えていない。遠く離れている事は明白だ。 しかしハッタリを見破られた様子など微塵も見せないニンジャに対し感知力を深めたバッターは、何らかの宝具の発動を見て取っていた。 本来のランクより大きく下がっているとはいえ対霊・概念スキルは極めて強力かつ有用なスキルではあるが、決して絶対ではない。 先ほどの男が本性を現すまで悪魔であることに気付けなかったのも単にファンブルの問題なのか、男が何らかの秘匿スキルを用いていたのかも分からない。 優れた感覚だからこそ過信は禁物なのだな、と肝に命じたバッターは、それゆえにサーヴァントを侍らせていないソニックブームにも警戒を怠らなかった。 セリューに念話を飛ばして【お前が応対しろ】と指示を出し、自身は臨戦態勢を保つ。セリューは【お任せあれです!】と返し、隠すことない本音でニンジャの問いに答えた。 「何故って、あいつらが悪だったからですよ! 私たちは無差別に人を殺す遠坂凛とは違います!」 「……【悪とは、どういう意味だ?】だってよ」 「善良な民を苦しめる、反国家的な集団や個人です。主に正義を執行した相手は、この国で俗に言うヤクザですね」 「おお、ひょっとしてヤクザ・クランを壊滅させたってのはてめェ等の……【どういう権利があって、ヤクザたちを殺している?】」 「正義を体現する者として行動した、それだけです! 権利や義務なんて大層な話じゃなく、当然のことをしたまでですよ!」 「【善良な人を助けるのはこの国では警察の仕事であり、彼等の職責だ。この 新宿 にとって部外者の貴女がやっていい事ではない】」 「前者は知っていますが、後者は間違っていますよ! 警察の方が私が来るまで行動していなかったから私がやっているだけで、正義を名乗って正義を為してはいけないのは、悪だけです!」 【会話をするだけ無駄なようですね……理屈が合わない相手との会話は生前嫌というほど経験しましたが、ここまでの人相手では俺にはちょっと……】 「ハッハッハッ! ま、後は俺に任せな、サーヴァント=サン」 「??」 サーヴァントの暴走など何か事情があって殺人を犯したのではないか、と討伐令を出された主従との対話を試みたセイバー=清音だったが、特別な事情はないと悟ると対話を諦めた。 自分が悪と認めた者を殺す、という意思がもはや生態に近い域に達しているセリューと、それを助長するバッター。 杓子定規な性格のセイバーでは彼等の考えを改めさせることはできないし、生前の経験から歩み寄る気がない人間の区別は本能的につく様にもなっていた。 怪訝な顔のセリューに、豪放に笑うソニックブームが語りかける。所謂「こだわり過ぎない」彼のような人間の方が、狂人の相手には向いているのかもしれない。 「オッケー、オッケー。バトンタッチだ、セリュー=サン。次は俺様とお話しようぜぇ」 「サーヴァントさんの方は分かってくれたみたいですね。 ええ、構いませんよ、ソニックブームさん!」 「お前サンは自分が正しいと思っているみてぇだが、社会には秩序ってもんがある。それを破ったから、討伐令を出されたわけだが、それについてはどう思う、エエッ?」 「正義を為した結果崩れる秩序なんて、在ること自体が間違いなんですよ。そんな理不尽を平然と敷くこの聖杯戦争の主催者を、私とバッターさんは絶対に許しません!」 「ヒュー、吹くじゃねえか。聖杯争奪の相手を前に、先にシャチョサンに喧嘩を売るってかぁ?」 ソニックブームは、湧き上がる嘲笑と苛立ちをメンポで口元に留めながら、セリューの青すぎる危険な主張を聞き続ける。 「聖杯争奪……やはりソニックブームさんも、聖杯を求めてこの戦争に?」 「いや、気付いたらこのシンジュクにいた。聖杯に届ける願いは、考え中ってとこだ」 「正義を否定する主催者の口車に乗るなんて、いけませんよ! 聖杯は諦めて堅実に生きるべきです!」 「疑いだすとキリが無い、ってコトワザがあるが……まあ一理はあるように聞こえるな、エエッ」 願いが希薄なソニックブームだからこそ、セリューの妄言に一定の理解が得られた。 確かに、強制的に連れてこられて言うことを聞いて勝ち残れば願いを叶えてやる、などという仕打ちはマッポーのネオサイタマでもそうはない。 聖杯戦争を仕組んだ連中の腹積もりくらいは探ったほうがいいのかもしれないが、ソニックブームとしては特に興味はそそられなかった。 暴れられればそれでいいとすら思える。 「じゃあてめェ等は聖杯じゃなくて何が目当てでこのシンジュクにいるんだ、エエッ?」 「正義に満ちた世界を作る……それが私とバッターさんの目的です!」 「成る程、立派じゃねえか」 心にもない賛辞を送りながら、ソニックブームは心中でセリュー達をどうするか、と思案していた。 令呪を使う予定がない以上、戦いを挑まなくてはならない理由もないし、彼個人としてはセリューたちの思考はともかく行動に干渉して阻む確固たる理由もない。 己のサーヴァント・セイバーはヤクザ相手でも虐殺はやめさせたいし、聞き入れないならば実力を行使するのも構わないとの意見だ。しかし、これも現状では超積極的ではない 何よりソニックブームにとって重要な、戦って楽しめるか?という所に、セリューたちが十分に応えてくれるとは彼には思えなかった。 目の前の狂人二人はワザマエは十分だろうが、戦いではなく処刑に喜びを覚える人種だと、無意識の内に看破したのだ。 彼等と戦うよりは、彼等を狙ってくる主従を狙っていた方が、実りある戦争の日々を過ごせると結論したソニックブームは、一つの提案を持ちかけた。 「セリュー=サン、お前の正義感にはほとほと感服したぜ、どうだ、俺と組まねえか、エエッ? 」 「協力する、という事ですか?」 「オオ、スカウトって奴だ。討伐報酬目当てに寄って来る連中を俺が受け持ち、そっちは主催者ってのを倒すのに専念する。どうだ?」 ソニックブームの魂胆は、無論言葉通りのものではない。 共に行動すれば隙を突くことも容易く、令呪が必要になった時に補充するアテが出来る。 主催者だけに目を向けさせれば、セイバーが懸念している悪党狩りも少しは減らせるだろう、と考えての同盟の持ちかけであった。 だが、セリューに意見を求められたバッターは、無言で首を振る。 「それは出来ない。穢れた魂と歩む選択肢は、ない」 「バッターさん?」 「ソニックブーム。お前には亡霊の魂が宿り、もはや分離できない程に混ざり切っている」 「ニンジャ・ソウルの事か。それがどうした? 俺は俺だぜ、バッター=サン」 「お前は穢れた魂だ。浄化を免れることはできない」 セリューの同意を待たず、バッターが己が凶器を構えて駆け出した。 常人ならば瞬きする間に間合いをゼロにするサーヴァントの突撃に、しかしソニックブームはバック・ステップで対応することが出来た。 ニンジャ動体視力の恩恵か、死への時間を零から一瞬延ばす事に成功した後退。 だがその一瞬を、英霊の具現たる者たちは即座に零に引き戻す。故に、本来意味のない抵抗―――。 そう、ソニックブームのサーヴァントが他ならぬ橘清音でなければ、意味のない一瞬の抵抗である。 「ッダテメー!スッゾオラー!」 「!?」 追いすがるバッターの手を止めたのは、空気を振るわせるニンジャの怒号ではない。 怒号を喚び水にするように、ソニックブームの周囲から菱形の非実体がバッターに向けて殺到したのだ。 手裏剣のようなそれをバットで弾いたバッターは、それが刀剣による斬撃に近い性質を持っていると看破した。 その威力も、瞬発的に放たれた物として人間が届き得ない域にあり、サーヴァントの攻撃としか思えない。 だが、バッターが油断なくソニックブームの周囲を注視しても霊的存在はどこにもいない。 "圏境"に準えられるほどの気配遮断スキルを持ってしても、バッターの概念感知力から こうは隠れ得ないだろう。 「ザッケンナ、このバケワニが……交渉は決裂ってわけだな、エエッ!?」 「……」 「チッ……セリュー=サン、せいぜい気張るんだな、アバヨ!」 バッターの足が止まる。相手の手の内が読めない以上、当然のことではあるが、バーサーカーというクラスにはあり得ない冷静さだ。 目に見えない存在が、遠隔地からこの場に干渉している。そうとしか思えない現象を前に、バッターは警戒のレベルをMAXにしていた。 ソニックブームはそんなバッターを見て、壁を縦横に蹴って飛び上がり、道路脇の電柱の頂点に着地した。 半悪魔化した男の死体を担いだニンジャが、捨て台詞を残してその場を去っていく。 ソニックブーム・遁走だ。瀑布の烈風と共に駆けるその姿は、モータルでは目で追うことすらできまい。 建物から建物へと飛び移り、やがて廃工場のトタン屋根の上で腰を下ろす。 バッター達が追ってきていないことを確認し、死体の服をまさぐる。果たして、目当ての物は見つかった。 「やはりマッポだったか。アトモスフィア直感で分かるってもんだぜ」 ソニックブームはこの悪魔刑事の頭を踏み砕く瞬間、官憲特有のオーラを感じていた。 元ヤクザ・バウンサーならではの後天的嗅覚であるといえよう。 取り出した警察手帳には、いくつかの連絡先の中にセリュー・ユビキタスの名と現住所が記されていた。 彼女達を狙っている主従に対する交渉条件にするもよし、周辺を張り込んで嗅ぎ付けて来たハンターを強襲するもよし。 「しかし一体何匹いやがるんだ、このモノノケ共は、エエッ?」 【無作為に放たれている、という俺の推測は間違いだったかもしれませんね、あの正義の味方気取りの連中を狙っていたわけですし】 「モータルを改造する親玉がいるとして、それがこうゴロゴロとシティをうろついているとなると……厄介だな」 【拠点を移したところでどこで見つかるか分かりませんね。寿司を食べに外出するの、やめませんか?】 「スシはやめねえ」 決然と言い放ち、死体を担ぎなおしてニンジャが再び走り出す。 聖杯戦争を勝ち抜く為の謀を適当に立て、暴れる算段を思うがままに立てる。彼らしく、彼のままに。 フマトニを脱したソニックブームは実際、 新宿 を吹き荒れる音速戦闘機となっていた。 【西大久保二丁目 移動中/1日目 午前9:20分】 【ソニックブーム@ニンジャスレイヤー】 [状態]健康 [令呪]残り三画 [契約者の鍵]有 [装備]ニンジャ装束 [道具]餞別の茶封筒、警察手帳、悪魔(ノヅチ)の屍骸 [所持金]ちょっと貧乏、そのうち退職金が入る [思考・状況] 基本行動方針:戦いを楽しむ 1.願いを探す 2.セリューを利用して戦いを楽しめる時を待つ 3.セイバー=サンと合流 [備考] フマトニ時代に勤めていた会社を退職し、拠点も移しました(過去の拠点、新しい拠点の位置は他の書き手氏にお任せします)。 セリュー・ユビキタスとバッターを認識し、現住所を把握しました。 新宿に魔物をバラまいているサーヴァントとマスターがいると認識しています。 【???/1日目 午前9:20分】 【橘清音@ガッチャマンクラウズ】 [状態]健康、実体化、変身中 [装備]ガッチャ装束 [道具] [所持金]マスターに依存 [思考・状況] 基本行動方針:聖杯にマスターの願いを届ける 1.自分も納得できるようなマスターの願いを共に探す 2.セリュー・バッターを危険視 3.他人を害する者を許さない ◇ 「消えたか。人間とは思えない素早さだ」 「バッターさん、あの人は悪なんですか?」 「浄化の対象だ。その問いには、お前が自分で答えを出すといい」 路地裏に取り残されたセリューとバッターは、被害者の死体を簡単に弔いながら会話をしていた。 バッターの手に触れた死体が黴とも塵ともつかぬものに代わり、風に乗って消えていく様を見ながら、セリューは腕を組んで考え込む。 「あの怪物たちと同じ、何かに憑りつかれている……それなら、彼もいつかは暴走して他人を襲うんでしょうか?」 「否定はできないな。だが、奴は強靭な精神力で亡霊の魂に負けず、己を保っている。俺も、これまで見たこともない例だ」 「だったら……」 「それでも、穢れた魂は浄化されなくてはならない。神聖なる任務は、果たさなくてはならない」 断言。バッターは常に、自分の意見を曲げずに言い放つ。 不変不動の狂気。それはスキルで保障される以前に、彼の魂の在り方だった。 その力強さに、セリューも頷いた。 「そうですね、正義に満ちた世界を作るためには、悪や亡霊を一掃しなくちゃならない、そうでした」 「お前は、ソニックブームを殺すことができるか?」 「……あの人は今は悪ではないと思います。でもいつか悪に染まるのが決まっているなら、正義を執行することに迷いはありません」 「そうか」 セリューは、どこか恩師に似た雰囲気を持つソニックブームに心からの好感を覚えていた。 一件強面で、言葉遣いも粗暴だが、セリューとバッターの理想を立派だ、と言ってくれた彼の心の中にも、きっと正義があるに違いない、と。 しかし、絶対的に信頼するバッターの言葉、彼がニンジャソウルなる亡霊に憑りつかれてあの悪の獣たちのようになるというのならば。 その前に自分の手で殺すことも、一種の救いと言えるのだろう。セリューはそう考えることで、悪を殺す自身の理想と、世界を浄化するバッターの理想の齟齬から目をそらす。 そして目を逸らした先で、由無し事を一つ、思い出した。 「……あ、スカウト、って……」 ソニックブームがふと漏らした言葉と同じそれを、つい近日耳にした覚えがあったのだ。 新宿 に来てからセリューが穏便に会話をした相手は相当数いるが、会話の内容を思い出せるほど何度も話した相手は限られる。 姿も名前も知らない電話だけの付き合いの情報提供者。その穏やかな声に不思議と信頼を覚える、セリューの名前も知らないはずの男性。 彼との世間話の中で、最近 新宿 に来たという共通点があることに会話が及んだことがあった。 もちろんセリューは割り当てられたロールを語ったが、相手の男は珍しく少し抽象的な言葉で、自分が新宿に来た目的を語ったのだ。 『まあ、他人から見たら遊興なのだろうがね』 『傍観でもあり、俯瞰でもあり……そうだな、最終的には……』 君達をスカウトに来たことになるのかも知れんな、と男性は語っていた。 きょとんと沈黙するセリューに『まあ、今はまだ手段も何も変えられる、それくらいのつまらない目的だよ』と言って次の話題に移ったものだ。 「いい人は言葉も似てくるのかもしれませんね!」 その事については深く考えることもなく、セリューは己の精神を狂った正常値に保ち、帰路に着いた。 ―――もう九時だというのに。空に、明けの明星を望みながら。 【西大久保二丁目 路地裏/1日目 09:20】 【セリュー・ユビキタス@アカメが斬る!】 [状態]健康 [令呪]残り三画 [契約者の鍵]有 [装備]この世界の価値観にあった服装(警備隊時代の服は別にしまってある) [道具]トンファーガン、体内に仕込まれた銃 免許証×20 やくざの匕首 携帯電話 [所持金]ちょっと貧乏 [思考・状況] 基本行動方針:悪は死ね 1.正義を成す 2.悪は死ね 3.バッターに従う [備考] 遠坂凛を許し難い悪だと認識しました ソニックブームを殺さなければならないと認識しました 主催者を悪だと認識しました 自分達に討伐令が下されたのは理不尽だと憤っています バッターの理想に強い同調を示しております 病院施設に逗留中と自称する謎の男性から、 新宿 の裏情報などを得ています 西大久保二丁目の路地裏の一角に悪魔化が解除された少年(トウコツ)の死体が放置されています 上記周辺に、戦闘による騒音が発生しました 【バーサーカー(バッター)@OFF】 [状態]健康 魔力消費(小) [装備]野球帽、野球のユニフォーム [道具] [所持金]マスターに依存 [思考・状況] 基本行動方針:世界の浄化 1.主催者の抹殺 2.立ちはだかる者には浄化を [備考] 主催者は絶対に殺すと意気込んでいます セリューを逮捕しようとした警察を相当数殺害したようです 新宿に魔物をバラまいているサーヴァントとマスターがいると認識しています 自身の対霊・概念スキルでも感知できない存在がいると知りました ……………………………… 時系列順 Back 機の律動 Next 絡み合うアスクレピオス 投下順 Back 未だ舞台に上がらぬ少女たち Next 絡み合うアスクレピオス ←Back Character name Next→ 00 全ての人の魂の夜想曲 ソニックブーム(フマトニ) 38 仮面忍法帖 セイバー(橘清音) 05 全方位喧嘩外交 セリュー・ユビキタス 38 仮面忍法帖 バーサーカー(バッター)
https://w.atwiki.jp/city_blues/pages/23.html
一般人が遠坂凛と言う少女を比喩する言葉を探した場合、一番相応しい言葉は才色兼備だろう。 可憐な容姿、明晰な頭脳、優れた運動神経、何をやらせても卒なくこなせる多方面への才能。 それに加えて、典雅流麗たるその立ち居振る舞い。異性からの好意を一纏めにするだけでなく、同性からも憧れの対象と見做される程の、優等生であった。 魔術師が遠坂凛と言う少女を評価した場合、天才以外の評価は下しようがないだろう。 一属性操れるのが普通、二属性も扱えれば上等な魔術師の世界にあって、五つの属性全てを平均的に扱えるアベレージ・ワンと言う才能を持った彼女は、 誰が文句を吐けようかと言う程の超一級の天才児だ。魔術回路の数も胸を張って自慢出来る程多く、家格も魔術師の世界では広く名が知れている。 遠坂凛はとどのつまり、表舞台の世界でも、一般人から見れば裏の世界と言ってもいい魔導の世界に於いても、極めて優秀な人物なのであった。 いつか来るであろう聖杯戦争に向けて、独自のルートから宝石を仕入れていた時の事である。 遠坂の魔術師は転換、特に宝石を用いた魔術を得意とする一族。魔力を移し、溜めておくのも宝石なら、攻撃に用い、儀式の触媒とするのも宝石である。 所謂宝石魔術と呼ばれるそれを操る魔術師は兎に角宝石を掻き集めなければならない。当然タダではない。 純度の高い宝石を仕入れる以上、莫大な金が入用になる。宝石魔術を生業とする魔術師は、兎に角収入と金策の管理をしっかりとし、余計な出費を抑えねばならない。 当然遠坂凛も、その常道に外れていない。なるべくなら安く、それでいて質の高い宝石はないかと目を光らせてはいるのだが、実際そんな美味い話などある筈もなく。 結局、値段が安い宝石と言うのは、それ相応の質と純度しかないのだ、と言う当たり前の現実をまざまざと見せつけられるだけだった。……あの日までは。 遠坂家が代々贔屓にしている『そっちの筋』の宝石商が持って来た宝石の中に、純度・質共に、今まで見た事もない程見事なサファイアで出来た鍵があったのだ。 それの出所が気になった凛は、如何なる代物なのか宝石商に聞いて見た所、スコットランドのピトロッホリーに広がる荒野で拾ったのだそうだ。 こんな上物をただで拾うなど、何と運の良い商人であろうか。凛はこの鍵が気になった。このサファイア、ただクオリティが高いだけではない。 凛が目を付けたその時点で、既に莫大な魔力を有していたのだ。さぞや高い値段で売り付けるつもりなのだろうと思い、商人に値段を聞いて見た所、これが安い。 正味数千万、事によっては億の額は堅い、このサファイアで出来た鍵を、商人は百万ぽっちの値段で捌こうとしていたのだ。 本人曰く、宝石商の勘が、この鍵は不吉極まりない代物だと警鐘を鳴らしているのだとか。凛は構わずこの宝石に食いついた。 これだけの代物、今自分が抑えておかねば、宝石魔術を専門とする魔術師でなくとも手を伸ばすのは自明の理。 それに魔術師が、曰くつきの代物を怖れるなど笑止千万。宝石商からその鍵を即決価格で買い取り、我が物としたのである。 ――神が遠坂凛と言う少女に対して課した運命を言い表した場合、一番相応しい言葉は『過酷』だろう。 彼女が手にしたその鍵こそが、数か月後に冬木の街にて起こる聖杯戦争とは違う、別の世界の聖杯戦争への片道切符である事を知っていたのならば。 凛はその宝石鍵をツンと無視したであろう。宝石商がスコットランドの荒野で拾ったその宝石の名前は、サファイアで出来た宝石細工ではなく契約者の鍵。 遠坂凛が生きていた世界とは別の世界へと赴く為の、彼が商っていた宝石の正体なのであった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 遠坂凛は単刀直入に言って、相当困惑していた。 一地方都市である冬木市から、日本の首都東京の新宿区……ではなく、 新宿 に何故か転送された事もそうである。 この 新宿 が凛の知る新宿区ではなく、元いた世界の新宿とは全く異なる歴史を歩んでいるという事もそうである。 目玉が飛び出る程に地価の高い神楽坂の一等地に、冬木の街に居を構えていた遠坂邸が寸分たがわぬ外観と内装で建てられていた事もそうである。 だが一番の当惑の原因は、恐らくは並行世界の新宿区と思しきこの場所で、聖杯戦争が開催されていると言う事実の一点に他ならなかった。 脳内に刻み込まれた聖杯戦争への知識及び、その舞台となる 新宿 の知識が、凛の脳髄に刻まれていた。 特に聖杯戦争に関する知識は、冬木で学んだそれとほぼ同じそれ。聖杯戦争に参加し、聖杯を勝ち取る事は父の代からの遠坂の悲願だ それに対して参加する事自体に、不満はない。――問題は、冬木の聖杯戦争ではなく 新宿 の聖杯戦争である事だ。 つまりそれは、今までシミュレートして来た、冬木での聖杯戦争でどう立ち回るかと言う計画が、全て水泡に帰してしまった、と言う事を意味する。 聖杯戦争において聖杯を勝ち取ったり、聖杯を例え取れなくても無事生き残ったりする為には、サーヴァントの優秀さが明暗を分けると言っても過言ではない。 無論マスター自体の優秀さも勘案されるべき事柄なのではあるが、しかしそれは、優れたサーヴァントを引き当てているか、と言う事実の前では瑣末な事。 例え 新宿 で行われる聖杯戦争であろうが、サーヴァントを宛がわれる、と言う根幹は全く変わらない。つまりここでも、サーヴァントの強さは最も大きいファクター。 遠坂凛は優れた魔術師である。そんな彼女の下へとやって来るサーヴァントだ。きっと優秀な存在に違いない。……違いない。 「えーっと、貴女が私のサーヴァントですか?」 「私はマスター!!」 「そうでしたか」 「私は遠坂凛よ……私は優秀な魔術師……、だから私の引き当てたサーヴァントは優秀なのよ優秀……」。 恐い位の勢いで心の中でそう念じ、自己暗示する凛であったが、とてもではないが目の前にいるサーヴァントが、優れたサーヴァントである風には、見えなかった。 アイロンなど全くかけていないのだろう、よれよれの礼服を着用した、百九十は堅いであろう大柄で、骨太の体格の男だった。 彫りの深い端正な顔立ちをした男だが、切れ長の瞳は何処か眠たげで、間抜けな印象を凛に与える。 床屋や美容院などで髪を切らず、自分で散髪しているのだろう。男の髪は、一目見て解る、左右不均等でかっこの悪い髪型であった。 とてもではないが優れたサーヴァントには……いや、訂正しよう。 優れている風には、見えない。見えないのだが同時に、この男を見ていると凛は、底知れぬ不安感に覆われるのだ。 何が面白いのかは知らないが、淡い笑みを浮かべて此方を見下ろすこの大男は、ひょっとしたら引き当ててはいけない存在だったのでは、と。凛の直感は告げていた。 「……で、よ。貴方のクラスを教えてくれるかしら?」 強いサーヴァントを引き当てるのは勿論の事だが、それと同じ位に大事なのが、そのサーヴァントのクラスである。 呼び出されたクラスによって、聖杯戦争とどう付き合って行くかが大きく変わって行く。 ただ単に強いサーヴァントを引き当てて、片っ端から喧嘩を売って行くと言うスタイルでは駄目なのだ。そのクラスにあった運用法を無視すれば、最悪格下にすら不覚を取りかねないのだから。 「確か私は、バーサーカーでしたか」 最悪だ、と凛は思った。バーサーカー、つまりは狂戦士のクラスだ。 あわよくば最優のクラスであるセイバー、妥協点でアーチャー・ランサー、ライダーが欲しかった凛にとっては、頭の痛くなる現実である。 バーサーカーとは理性や言語能力を失わせる事で、弱い英霊を強化する為のクラス。これまでの聖杯戦争でバーサーカーを引き当てた魔術師は、 結局は彼らを御し切れずに自滅してしまったケースが殆どである。こう言う過去の事例を知っていたからこそ、凛は最優のクラスであるセイバーが―― 「……あれ?」 このバーサーカーとどうやって聖杯戦争を付き合って行くか、右脳左脳をフルスロットルで回転させていた凛であったが、ふと気づいたのだ。 「貴方、何で喋れてるの?」 バーサーカーとは先述したように理性と言語能力を引き換えに強さを得るクラスなのである。 故に、通常彼らはマスターとコミュニケーションが取れない傾向にある。なのに、何故このバーサーカーは、言葉を喋れて、理性の喪失が全くないのか? 「そう言う事もあるのではないのでしょうかな?」 考える素振りも全く見せずに、バーサーカーが返事をする。 考えるのが面倒くさいだけなのか、それとも理由を隠しているのか。……もしかすると、本当に自分でも解っていないのか。 それは凛には解らない。が、今はそれでも良いかと考える事にした。引き当てたサーヴァントはバーサーカーだが、言葉を交わせるとは言うのは大きいアドバンテージ。 その一点だけでも、凛は良しとする事にした。 「それで、バーサーカー。貴方の真名を教えてくれるかしら」 「真名……あぁ、名前の事ですな。黒贄礼太郎です」 先ず思ったのは、日本の英霊なのかと言う事であった。 脳裏に刻まれた聖杯戦争への知識によると、宛がわれるサーヴァントは洋の東西の英雄や猛将と言った存在だけでなく、別の世界の強者も呼ばれうるらしい。 凛の引き当てたこの黒贄と言う男も、その類なのであろう。 「黒贄……ね。解ったわ。私の名前は遠坂凛。苗字と名前、好きな方で呼んでも良いけど、相手のサーヴァントの前ではマスターで通して頂戴」 「ほほう、遠坂ですか」 「あれ、もしかして……遠坂の家名って、異世界にも轟き渡ってたりとか?」 「いえ、初耳ですな」 思わず前のめりにずっこけると言う、一昔前のコミック的表現を体現してしまいそうになる凛。 期待させる様な口ぶりしないでよ、とジト目で黒贄の事を睨めつけるが、彼は意にも介していなかった。 「取り敢えず、バーサーカー。早速だけれども、今後の事を話し合うわよ」 「遠坂さん、私の名前はバーサーカーではなく黒贄礼太郎です」 「馬鹿ね、聖杯戦争ではクラス名で呼び合うのが当たり前なのよ。貴方の真名が露見して、弱点が知れ渡ったらコトでしょ?」 「ははあ、そう言うものなのですか」 ――もしかして、不安の正体とはこれか? と勘繰る凛。 このサーヴァント、聖杯戦争の戦略上まず考えられる事由について、あまりにも無知である。 幾らなんでもこの程度の事すら考えられないようでは、自分のサーヴァントとしては余りにも不出来である。凛は試しに、黒贄に対して質問を投げ掛けようとする。 「バーサーカー」 「遠坂さん、私の名前は黒贄ですよ」 「……黒贄」 変な所で律儀な男である。自分の調子が狂うのを凛は感じた。 「聖杯戦争の目的とか、貴方、しっかりと解ってるのよね?」 「もちろん。其処は勉強しましたから」 「流石にその点は大丈夫よね」 「ええ、殺人をしても問題がないなんて、素晴らしいですよね。殺人鬼魂が疼きますよ。戦争、と言う名前が少々アレですが、規模から言って戦争と言うよりは小競り合いのような物ですし、まぁ良しとしましょう」 「んんん~?????」 致命的な話の噛み合わなさに、凛は間抜けみたいな表情を作ってしまう。 同じ国の言葉を話し、難しい言葉も言い回しも用いていないのに、何故だろう。言葉のキャッチボールが全く出来ていないと言う感触が、否めないのだ。 急速に嫌な予感を感じ取った凛は、恐る恐る口にして見る。 「バーサ……黒贄?」 「なんでしょう」 薄い微笑みを崩しもせずに、黒贄が訊ねる。 「聖杯戦争が何を目的としているのかは、解るわよね? 貴方の言う通り、人を殺す事も当然あるけれど、最大の目的は聖杯を手に入れる事よ?」 「成程、聖杯ですか」 「それ位は流石に解るわよね」 「いえ、初耳でした」 ――今度こそ前のめりにずっこけた。 「おや、立ち眩みですかな?」、凛が今直面している、事態の深刻さとは裏腹に、黒贄は実に間の抜けた声色で凛に声を掛けて来た。 「せ、聖杯も知らないサーヴァントって……」 よろよろと立ち上がり、近くにあった椅子に腰かけ、何とか言葉を紡ぐ凛。 そもそもサーヴァントと言うものは、聖杯に何か願うところがあるか、現世で何かしら成したい事があるからこそ、聖杯戦争の舞台に呼ばれるものなのではないのか? このサーヴァントが聖杯戦争のセオリーから外れた存在なのか、はたまた、 新宿 の聖杯戦争そのものが異常なのか。 どちらにせよ、冬木で学んできた聖杯戦争の常識は、一部通用しない所がある、と見た方が良いだろうと凛は結論を下した。今怒鳴るには、尚早が過ぎる。 「黒贄……、聖杯って言うのは、どんな願いでも叶えてくれる器の事よ」 「ははあ、凄いものもあるのですねぇ」 「……欲しくないの?」 黒贄の言葉には、聖杯に対する執着心がこれっぽちも感じられない。そういうものもあるんだなぁ、程度の感慨しか受け取る事が出来ないのだ。 「逆に問いますが、凛さんは聖杯が欲しいのですかな?」 「えぇ。聖杯を手に入れる事は、遠坂の悲願だから。だからその為には、貴方の力が必要なの」 「ふうむ、それはつまり、依頼と言う事で宜しいのですね?」 「そうなるわね」 「解りました。では、依頼料の方を……」 「お金取るの!?」 思いもよらない提案に、およそ優雅を家訓とする遠坂家の女性らしからぬ声を上げてしまう。 何かしらの生贄や代償、供物を求めるサーヴァントと言うものも、ひょっとしたら呼び出した存在次第ではありうるかもしれない。 しかし、現代に流通している貨幣や硬貨となると、話は別だ。余りにも価値が違い過ぎる。もしかして本当に、凛が生きている時代と、ほぼ同じ時代の英霊なのかも知れない。 「探偵ですからな、ただで仕事は受けませんよ」 「探偵だったんだ……」 正直、見えない。ボケっとしていてそうで抜け目も隙もない、と言うのが世間一般の探偵のイメージであるが、この男は正直隙だらけだ。 サーヴァントではあるが、凛ですら、黒贄がちょっと向こうを向いている間に殺せそうな、弛緩した空気しかこの男は醸し出していなかった。 「それで……いくら払えば良いのかしら? 二百万円で足りるかしら」 「ではそれで行きましょう」 「(いいんだ……)」 聖杯戦争の危険性を考えたら、二百万円どころか、遠坂家の全財産のみならず自分の身体すら要求されるものかと凛は危惧したが、そんな事はなかったらしい。 尤も、一千万以上の額を要求されたら、その瞬間凛は、令呪を用いて黒贄を御していたのだが。 二百万。決して安い金ではないが、凛がいつも用意している宝石の値段に比べればまだ許容出来るのであった。 「報酬の方は後払いとかで、大丈夫?」 「結構ですよ。そう言った依頼人も多いですから。では改めて、依頼の方は聖杯、と言う物の捜索で、宜しいですかな?」 「えぇ、問題ないわ」 「了解しました。それでは、この箱の中から選んでください」 言うと黒贄は、何処からか立方体の箱を取り出して、凛の前に差し出した。箱の上面には、丸い穴が空いている。余裕を持って手を入れられる周径の穴だった。 穴を覗いてみると、折り畳まれた紙片が幾つも入っており、まるでくじ箱のようだと凛は思った。 いつの間にこれを取り出したのか、と一瞬疑問に思ったが、相手はサーヴァントである。それ位の不思議は、まだまだ許容範囲だった。 言われた通り穴の中に手を入れ込み、適当に紙片を一つ摘まみ、それを開いてみる。9番、と言う数字が書かれていた。 「ほう、中々くじ運がよろしいですな」 「あら、そう?」 「えぇ、そうですよ」 黒贄はそう言って、右腕を高々と掲げると、彼の右手の周りの空間が、水のように揺らぎ始め、そして、歪み始める。 空間の変化からゼロカンマ三秒程経過した後、黒贄の右手に、ある物が握られていた。 やや湾曲した薄い刀身を持った、刃渡り五十cm程の剣。峰の部分はギザギザとした鋸状で、切ると言う行為と引き切ると言う行為の二つを行える代物だった。 凛は知らないが、この剣はマチェットと言い、中南米の国民が農作業や山作業の時に使う山刀なのである。 突如としてこんな物を出されて驚く凛だったが、よくよく考えればサーヴァントが武器を持つのは当然の事ではないか。 聖杯戦争はサーヴァントを呼び出した時点で、既に始まっているものと見るのが道理。 であるならば、自分のサーヴァントである黒贄が、武器を持ち、警戒に当たるのは寧ろ良い事であろう。 イレギュラーな事態が連続しているとは言え、結局 新宿 の聖杯戦争も、聖杯戦争の基本からブレていない。 凛は聖杯戦争に関する事柄について勉強し、この日の為に魔術の腕を磨く鍛錬をサボった事など殆どなく、その腕前も実に見事な程にまで成長した。 これらの点において凛は、他参加者より一歩所か何十歩も先んでた所にいると言っても良いのだ。 理はまだ此方にある。例え引き当てた存在がバーサーカー、しかもやや常識知らずのサーヴァントとは言え、こちらの優位性がまだ揺らいだ訳じゃないのだと。凛は思い直したのだった。 「では、調査に行きましょうか、凛さん」 「調査って……聖杯の? 聖杯は他のサーヴァントを全員倒さないと……」 と、此処まで言って、考えた。どうせ黒贄に言った所で無駄だろうと。 それに今の凛は、聖杯の調査など無駄だと解っていても、遠坂邸の外を歩いてみたくなったのだ。 理由は単純明快。彼女は 新宿 の地理に全く疎いからである。見知った冬木の街ならばいざ知らず、今まで足も踏み入れた事のない東京。 しかも、本来の歴史とは異なる歴史を歩んでいる 新宿 で行われる聖杯戦争なのだ。万難は、可能な限り排しておきたい。 土地鑑が弱かった為に負けました、など、笑い話にもなりはしない。だからせめて、自分の家の周りだけでも、見ておきたかったのだ。 「――いえ、解ったわ黒贄。一緒に調査に付き合うわ」 「解りました。それでは」 言って黒贄は霊体化を行い、物質的な肉体を持たなくなった。 このような機会で東京の街に訪れる事になろうとは凛も思いもしなかったが、この現実、最早受け入れる他はなかった。 これから行われる戦いが凛の知る聖杯戦争であるのならば――彼女も手を抜かない。開催時期が早まり、開催地が違ってしまっただけだと思う事にした。 ツカツカと歩いて行き、黒贄と今まで話していた遠坂邸のリビングを後にする。 ――遠坂凛の安息は、この瞬間に終わりを告げた。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 靴を履き、外に出る。雲一つとない、晴れ模様。洗濯するにも散歩をするにも打って付けの天気である。 この辺りに住む人間は経済的にも時間的にもゆとりのある人物が多いらしく、普通の人間であれば仕事をしている時間であるのに、のんびりと散歩をしている風の、身なりの良い中年や老年の人物が、道を歩いている。 凛の視界には、見るからに家賃の高そうな、モダン風のマンションが建ち並ぶ光景が広がっていた。 凛が住んでいた冬木市では、少し見られない風景であった。これを見ると、自分は本当に冬木の街とは違う、正真正銘本物の都会にやって来たのだと実感する。 街並みが違う。空気が違う。道路が違う。道行く人が違う。夢でもなければ、幻でもなし。此処は本当に、 新宿 であった。 「こんな状況でなければ……」 ゆっくりと街を観光出来たのに、と、続けようとした時であった。 霊体化した状態で凛の隣で随伴していた黒贄が、いきなり霊体化を解き始めた。 サーヴァントを聖杯戦争の参加者は元より、聖杯戦争に全く関係のない人物―― 新宿 ではNPCと言うらしいが――にすら、見られる事は得策ではない。 理由は単純。目立つからである。特に聖杯戦争のマスター達には、なるべくならその存在を秘匿しておかねばならない。 黒贄の姿は、NPCには「自分の連れ合い」と言う言い訳が通用するかもしれないが、マスターやサーヴァントにはそうも行かない。 「勝手に霊体化を解くな」、と叱りつけようとしたその時だった。 「すいませ~ん」 と、何とも気の抜けるような、本当にサーヴァントかと疑いたくなるような声で、黒贄は凛ではない、道路を行く赤の他人に声を掛けたのだ。 「はい?」 黒贄の声に反応したのは、いかにも人のよさそうな見た目をした、中年の女性であった。 一目見て、聖杯戦争とは何の繋がりもないと解る人物。平和な日常の中に生きている事がありありと見て取れる、ごく普通の一般人であった。 「この馬――」 鹿、と凛が続けようとした、その時であった。 「聖杯と言う物をご存知でしょうか?」 言いながら黒贄は、右手に持ったマチェットを垂直に振り下ろした。 マチェットの刀身は中年の女性の脳天を裂き、そのまま臍まで、彼女の服ごと裂いた。 チーズの様に身体を裂かれた中年女性は、桶をひっくり返した様に血液をたばしらせる。アスファルトを血液の褪紅色が赤く染め上げる。中年女性が前のめりに倒れた。即死だった。 「な、な……?」 パクパクと、酸欠気味の金魚の様に口を開閉させながら、凛が言葉にもならない言葉を呟く。 今の彼女は、遠阪家の家訓たる『常に余裕をもって優雅たれ』から、全くもって程遠い、間抜けな姿をしていた。 「ありゃりゃ」 自らが成した凶行の産物を見下ろしながら、黒贄は、やってしまったと言う風で口にする。其処に、罪悪感など欠片もなかった。 彼はすぐに、道の脇に止めてあったセダン車へと近づいて行く。運転手であろう、年の若い、セールスマン風の男は、黒贄の凶行を目の当たりにしていたらしい。目を丸くし、黒贄と、女性の死体に釘付けであった。 「すいません、聖杯をご存知でしょうか?」 言って黒贄が、マチェットを思いっきり突きだす。 サイドガラスを濡れた薄氷みたいに容易く突き破り、マチェットの剣尖がセールスマン風の男の歯突き破り、そのままの勢いで喉元を貫く。 うなじまで、マチェットの剣身は突き出ていた。それを引き抜き黒贄は、凍り付いたようにその場から動けずにいる四人組へと近づいて行く。 見るからに学生風の四人だった。 新宿 の大学と言えば……この辺りで有名なのはW大だ。恐らくは講義をサボってこの辺りをぶらついていたのだろう。不運だった、としか言いようがない。 「もしもし、聖杯と言う物を――」 今度はご存知とすら言わなかった。既に右腕を横薙ぎに振るっていた。一緒にいた、如何にも今時の服装と髪型をした男の首が跳ね飛ばされ、宙を舞う。 返す刀で一緒に歩いていた女子大生の頬の真ん中より上が地面に落ちた。正確無比に黒贄が、眼鏡をかけた男の心臓をマチェットで貫き、 引き抜いて直に、山刀を袈裟懸けに振り下ろしてやや肥満気味の男の右肩から左腰までを斬った。朱色の線が剣の通った軌道と同じ位置に刻まれており、その線に沿って肥満気味の男の身体がズレて、道路に倒れ込んだ。 「うわぁ殺人鬼!!」 道行く人の一人が漸く、叫び声を上げた。年の割にはカジュアルで、若々しい恰好をした中年の男だった。 「ラララ聖杯さ~ん」 黒贄は風のような速度で、先程叫んだ中年の所へと接近し、山刀で腹を裂いた。「うぐぅ」と言って中年は倒れ伏した。 ――忽ち、平和な一時で満ち満ちていた神楽坂の往来は、蜂の巣を突いたような大パニックに陥った。 悲鳴や金切り声が空気を切り裂く。「警察に連絡しろ!!」と言う至極尤もな怒号が上がる。倒けつ転びつと言った体で、その場から皆逃げようとする。 「ああ~聖杯さ~ん、貴方は~、ど~こ~に~」 最早聖杯の所在を聞く気すら、この男にはなかった。如何にも即興で作ったような歌を口ずさみながら、逃げ惑う人々の下へと凄まじい速度で接近して行く。 マチェットを振り下ろす、セールスマン風の女性の身体が頭頂部から股間まで真っ二つになる。マチェットを横薙ぎに振るう、少年の首が刎ね飛んだ。 マチェットを突き差す。杖を突いて歩いていた老婆の胸部に深々とマチェットが突き刺さる。マチェットの柄で殴る、バイクに乗って逃げようとしていた男のヘルメットを突き破り、柄が何cmも頭蓋にめり込んだ。 凛が一呼吸している間に、平均して一人或いは二人の人間が殺されて行く。 遠坂邸の建てられた通りにいた人間を殺し尽した黒贄は、なおも飽き足らないのか、大通りの方へと残像が残る程の速度で走っていった。 凛がその事に気付いたのは、黒贄の黒い残像が消えかけて行くのとほぼ同時であった。遥か遠くで、凄まじい怒声と悲鳴、そして自動車などのクラクションが鳴り響いている。 ――拙い拙い拙い拙い拙いッ!! 心臓が早鐘を打つ、大脳がモーターみたいに空回りする。冷たく粘ついた汗が背中をじっとりと濡らし、胃に石でも詰められたかのように呼吸が苦しい。 どうしてこうなっている何でこうなっている!? この後どうしたら良いのか、焦りながら凛は考える。 十秒程経過して、凛はどうしたらよいのか思い付いた。やはり、聖杯戦争の事柄について学んでおいて良かった。決して此処に来るまでの日々は無駄ではなかったのだ。 急いで凛は遠坂邸へと駆け込み、リビングへとドタドタ足を運び、自らの右手に刻まれた令呪に力を込めて祈る。 「令呪をもって命ずる――」 言った瞬間、凛の令呪が激しく輝く。それは、漢字の『狂』の字を模した令呪。『けものへん』の二本の横線部分が、爛々と輝いていた。 「大人しくなった後、此処へ来なさいッ!! バーサーカーッ!!」 ありったけの怒りを込めてそう叫ぶと、凛の前に黒贄が姿を現した。 呆けた表情を浮かべながら、「ありゃ」と言って周りを見渡す黒贄の身体は、髪の毛から靴先に至るまで、赤くない部分がない程に血で濡れている。 髪の毛と、血を吸った礼服から、ポタポタと血液が滴っている。これらは全て、返り血であろう。であるのに、血液を満たしたプールで泳いできたかのようだった。 何人の返り血を浴びれば、此処まで真っ赤になれるのか。 「おや、これは凛さん」 軽く会釈する黒贄。血液は今もぽたぽた滴っている。 爪が割れるのではないかと言う程の勢いで両拳を固く握りながら、凛はブルブルと震えていた。 恐怖から来る震えではない。鬼相の刻まれた表情を見れば解る。彼女は――嘗てない程の勢いで憤っていた。 「馬鹿ああああああぁぁぁぁぁぁッ!!!!」 喉から稲妻が迸ったのでは、と思う程の声量で凛は叫んだ。肺に溜まった空気を全て、この一言を発するのに費やした。 室内の調度品や窓ガラスがビリビリと小刻みに振動する。人は大声で、物を揺らす事が出来るのだ。 「アンタ何やってるの!? どんな悪党だって、普通は目立つだろうなって考えて、真っ昼間の往来で人なんか殺さないでしょ!? そんな事も考えられなかったの!?」 「いやぁ申し訳ございません。つい発作的に、八津崎市にいた頃のような振る舞いをしてしまいました」 「やつざき市ぃ? そんな冗談みたいな街があってたまるか!!」 「はぁ」 過去此処まで、暖簾に腕押し、と言う諺を体現した存在がいただろうか。 目の前の男は凛の烈火の如き怒気を浴びても、春風駘蕩とした態度を崩しもせず、飄々と、薄い笑みを浮かべるだけであった。 「ああ~もう最悪……聖杯戦争に備えて、抜かりのない聖杯獲得の計画をシミュレートして来たのに、一瞬で台無しじゃない……」 頭を抱えて唸り出す遠坂凛。 この家にテレビがないのが悔やまれる。もしもこの家にテレビがあり、適当にチャンネルを回したのならば、間違いなく黒贄の凶行について緊急特番が組まれ、 放送中の番組を中止してまで、彼の犯した大殺戮を報道している事であろう。 目立たない、水面下でやるのが鉄則の聖杯戦争、その一端が事もあろうに近代メディアの俎上に上がるのだ。これ程最悪な状況は、先ずないであろう。 「まあいいじゃないですか凛さん、私は楽しかったですよ」 「私が楽しくないの!!」 本当に、人の神経を逆なでする才能は天下一である。 凛は自分が、令呪を使ってこのサーヴァントに自殺を敢行させないでいる自らの我慢強さに、我ながら心底驚いていた。 「第一、聖杯の事を赤の他人に聞くのならまだしも、何で其処で手が出るのよ!! アンタ本当に生前は探偵だったんでしょうね!?」 「すいません、私は探偵は探偵でも、世界に一人しか存在しない特別な推理を得意とする探偵ですので」 「……それって?」 じとついた瞳で黒贄を睨めつけながら、凛が口にする。 「私は『殺人鬼探偵』です」 ――余りの言葉に凛は思わず仰向けにぶっ倒れそうになる。いや、と言うより、後ろに倒れた。仰向けにならなかったのは、丁度その位置に椅子があったからであった。 ストレスやら頭痛やら展望の真っ暗さやら初手でサーヴァントがやらかしたと言う絶望感やら。もう意識はブラックアウト寸前。 ――お父様ごめんなさい、私遠坂凛は聖杯を勝ち取る以前にもう駄目かもしれません―― 血を滴らせる黒贄礼太郎を、椅子に座った状態で見上げながら凛はそんな事を考えた。 家の外でけたたましく鳴り響く、パトカーのサイレン音すらも、今の凛には遠い音なのであった。 【クラス】 バーサーカー 【真名】 黒贄礼太郎@殺人鬼探偵 【ステータス】 筋力A+++ 耐久EX 敏捷A+ 魔力E- 幸運E- 宝具D 【属性】 混沌・中庸 【クラススキル】 狂化:EX バーサーカーでありながら意思の疎通も言葉によるコミュニケーションも可能。 但しバーサーカーの思考は『殺す』と言う思考のみに特化されており、損得勘定など一切無視して、ありとあらゆる人間を殺害してしまう。 状況次第ではマスターすらも殺害対象になり、実質上このバーサーカーを制御する事は、不可能に近い。 【保有スキル】 不死 不死。葬る手段がない。 首を斬られようが体中を燃やされようが、身体の半分近くをひき肉にされてもライフル銃で胸を撃たれても、バーサーカーは死ぬ事がなかった。 傷の再生には魔力を消費し、死亡からの復活となると、莫大な魔力を消費する。バーサーカーの特技は、誰も知らない所でこっそり復活である。 戦闘続行:EX 往生際が悪すぎる、と言うより往生際がない。どんなに身体をズタズタにしても、首を切断しようとも、戦闘を続けようとする。 四肢の一部が極限まで炭化したり、骨だけの状態になり神経や筋肉がない状態でも、十全の状態で戦闘が可能と言う怪物。 足止め程度の攻撃では、バーサーカーの殺害意欲は先ず削ぐ事は不可能。 怪力:A+++ 一時的に筋力を増幅させる。魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性……なのだが、バーサーカーは何故か人間なのに有している。 使用する事で筋力を向上させる。バーサーカーの場合は発動した場合相手を殺すか、その相手に逃げられでもしない限り、永続的に筋力が向上し続ける。 更にバーサーカーは、怪力スキルを筋力だけでなく敏捷にも適用させる事が出来、瞬間的に凄まじい速度での移動をも可能とする。 貧困律:D 人生においてどれだけ金銭と無縁かと言うスキル。ランクCは、纏まった金が入り難いレベル。 バーサーカー自体の宿命もそうであるが、探偵の仕事を依頼して来た依頼人を、報酬金を支払う段階で殺してしまうなど、バーサーカー自体のせいによる所も大きい。 威圧:C 普段のバーサーカーは眠たげな瞳をした気だるげな男であるが、殺人の際になると、絶対零度の冷たさを宿した、機械的な瞳をするに至る。 ランク以下の精神耐性の持ち主は、その余りの眼力に即座に怯んでしまう。 【宝具】 『狂気な凶器の箱(凶器くじ)』 ランク:D+ 種別:対人宝具 レンジ:1~3 最大補足:5 生前バーサーカーが殺人に使っていた道具の数々が、宝具となったもの。 バーサーカーは依頼を引き受ける度に、依頼人にくじを引かせ、引いたくじの番号に対応した凶器で、事件を(力技で)解決させてきた。 相手サーヴァントと対峙する度にマスターにくじを引かせ、そのくじ番号と同じ武器が、何もない虚空から出現。それを握ってバーサーカーは戦闘に臨む。 チェーンソーやククリナイフ等のいかにもな武器もあれば、スプーンや着ぐるみなど、およそ武器とは言えないものまで、実に多種多様な凶器が揃っている。 凶器くじで選ばれた凶器は、Eランク相当の宝具として扱う事が可能。 【weapon】 凶器くじに収められた武器の数々: 色んなものが入っている。因みに探偵業の収入の殆どを、この武器の購入に充てている。 【人物背景】 史上最強の殺人鬼。最悪の破壊者。異世界アルメイルの元魔王。第一回世界殺人鬼王。世界を破壊しかけた男。 様々な呼び名を持っているが、一つ確かな事は、彼は何処までも殺人鬼であると言う事だ。 【サーヴァントとしての願い】 不明 【マスター】 遠坂凛@Fate/stay night 【マスターとしての願い】 聖杯の獲得。かける願いはない 【weapon】 アゾット剣: 魔術師の世界ではよく使われ、師匠が一人前となった弟子に贈ることが多い。凛の場合は、兄弟子の言峰に手渡された。 父である時臣の遺品として渡された品だが、実は彼の直接の死因となった武器がこれである。この事実はまだ知らない。 【能力・技能】 ガンド: 指差した相手に対して呪いの弾丸を放つ魔術。呪いの種類は様々だがそれ自体で致死に到るものではない。 しかし凛は、高い魔力のおかげで拳銃並みの威力のダメージを与える、フィンの一撃を放つ事が出来、しかもこれを機関銃のように連射が可能。 宝石魔術: 宝石に蓄積していた魔力を解放、破壊や治癒など様々な用途に利用する。 聖杯戦争に備えて今日まで練り上げて来た、サーヴァントの頭すら吹き飛ばす程の魔力の籠った宝石を複数所持している。 この他にも、五属性全てを扱える魔術師の為、火や風、水などの様々な属性を操る事が出来る。早い話が天才 【人物背景】 冬木の管理者・遠坂の六代目継承者。父に魔術師の遠坂時臣を持つが、既に故人。 家訓の「常に優雅であれ」を実践し、学園内では非の打ち所のない優等生として男子生徒の人気も高い。 しかしそれは表向き振る舞っている性格で、実際には競争相手がいるならば周回遅れにし、刃向かう輩は反抗心をつぶすまで痛めつける事に、抵抗を持たない。 やるからには徹底的に、を信条としている。が、実際の所お人よしで甘い所が見られる上に、ここぞの場面で大ポカをやらかす、詰めの甘い少女。 アーチャー召喚から数ヶ月前の時間軸から参戦。 【方針】 聖杯戦争は勝つ……勝つけど、サーヴァントがアレだしどうしようもう。 時系列順 Back タイトル未記入 Next LEMONDROPS 投下順 Back タイトル未記入 Next LEMONDROPS Character name Next→ 遠坂凛 全ての人の魂の夜想曲 バーサーカー(黒贄礼太郎)